中小企業の株主総会の議事録の信憑性について
2008年06月03日 10:04
中小企業においては株主総会、取締役会の議事録が形骸化しているケースが多々あります。
中小企業の株主総会、取締役会の議事録の信憑性に関して、国税不服審判所で争われたケースを今日のメルマガで解説します。
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朝4時起きの税理士の見田村です。
いつもありがとうございます。
さあ、今日の1分セミナーは
「その議事録は本物?偽物?」をお伝えします。
皆さんの会社では株主総会、取締役会などの議事録を
きちんと作っていますか?
もちろん、これらをきちんと開催し、
議事録も作っている会社は問題ありません。
しかし、多くの中小企業では議事録が形骸化しています。
ただ、税務調査の場合、この真偽が問題になることがあります。
今日はこれをお伝えします。
まず、平成10年に国税不服審判所から出た裁決をご紹介します。
これは、役員退職金を決議した取締役会議事録の真偽が争われた事例です。
<前提条件>
○ 取締役会は開催されたが、議事録作成は司法書士に丸投げ
○ 議事録に記載された開催時刻は「午前11時45分」
→ 実際の取締役会は「午後6時」に開催
○ 議事録に記載された出席取締役は「8名全員」
→ 実際の出席取締役は「7名」(取締役A以外)
○ 議事録に記載された議長は「代表取締役」
→ 実際の議長は「別の取締役」
<税務署の主張>
○ この日、取締役Aは出張だから、午前11時45分の取締役会には
出席できない
○ 取締役会の議事録は事実と相違している
○ 役員退職金の決議がされた事実は認められない
○ 役員退職金を経費として認めない
<納税者の主張>
○ 取締役Aは日帰り出張のため、午後6時の取締役会には出席できる
○ 取締役Aのタイムカードの退社時刻も午後6時47分となっている
○ 別の取締役の手帳に「18時に取締役会」と記載があった
○ 以上の理由から、取締役会は実際に開催されている
○ 役員退職金は経費として認められるべき
<国税不服審判所の裁決>
納税者の主張を認める
実際にはもう少し細かいのですが、ここでは止めておきます。
このように、議事録の真偽が問題となり、否認される可能性もあるのです。
いかがですか?
皆さんの会社では議事録を適正に作っていますか?
もちろん、株主総会、取締役会を適正に開催し、
議事録を適正に作成することに越したことはありません。
ただし、中小企業では、株主総会、取締役会が形骸化し、
議事録の紙だけが作られていることも多いのです。
しかし、「その真偽が問題となることもある」
ということを憶えておいて下さいね。
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投稿者: 節税のことなら節税専門の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人