源泉税の支払時期に合わせ、未払い計上による役員報酬の調整が招くリスク
2008年08月19日 10:18
源泉税の支払い時期に合わせた未払い計上による役員報酬の調整を行なっている会社も少なくないと思います。
本日のメルマガでは、未払い計上による役員報酬の調整がリスクになってしまうということと、適正な役員報酬の設定方法を解説いたします。
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朝4時起きの税理士の見田村です。
いつもありがとうございます。
さあ、今日の1分セミナーは
「役員報酬を未払い計上した場合のリスク」をお伝えします。
先日、こんなご質問を頂きました。
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うちの会社では、役員報酬の「一部」を毎月、未払い計上しています。
そして、会社の損益の状況をみて、
6月、12月の賞与の時期に未払い分を支払っていました。
ただ、友人の社長から「止めた方がいいのでは?」と言われました。
何が問題なのでしょうか。
また、止めるべきなのでしょうか。
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まずは、結論です。
この方法はリスクがあるので、止めた方がいいです。
これが否認されたら、その未払い分は役員賞与になってしまいます。
つまり、損金にならないのです。
実際、平成元年6月7日にこれを否認する裁決も出ています。
また、これ以外にも平成6年、19年にも似たような裁決があります。
だから、止めた方がいいのです。
しかし、私にご相談にいらっしゃる会社で、こうなっている場合も度々あります。
その理由は
○ 源泉税の支払いが7月、1月の年2回なので、それに合わせて調整した
→ 未払い分は賞与の時期(6、12月)に支払うので、調整できてしまう
○ 会社の損益の状況に合わせて、役員報酬を調整したい
→ 期末近くになってから、状況次第で役員報酬を決めたいから
○ 税理士から提案があり、そういうものだと思っていた
→ これは正直、問題外ですね・・・。
実際、上記の裁決でも
「毎月の役員報酬の全額を支払えない特別の事情もない」
ことも否認の理由の1つに挙げられています。
また、今の税制では「原則として」役員報酬は1年間固定です。
しかし、以前は期中の臨時株主総会で変更することもあり得ました。
だから、源泉税の支払い時期に合わせて、
役員報酬を毎年毎年、増減させる会社もあったようです。
まあ、「そこまでいくとちょっと・・・」という感じですね。
もちろん、厳しい状況にある中小企業も沢山あります。
だから、それに合わせて役員報酬を設定したいという気持ちも
よーーーーーーーく分かります。
しかし、現在の税制では
○ 役員報酬を期中で上げることは「原則として」できない
→ 期中で取締役が代表取締役に就任した場合などは上げてもOK
○ 役員報酬を期中で下げることも「原則として」できない
→ 「経営の著しい悪化」があった場合はOK
→ 一時的な資金繰りの悪化などは「経営の著しい悪化」にはならない
という内容になっています。
上げることはともかく、下げることもできないのは厳しいですね・・・。
中小企業の場合、当初の予測よりも厳しいこともよくあります。
そういう場合、役員報酬を減らし、黒字化したいですよね。
しかし、悲しいかな、それができないのが現在の税制なのです。
だからといって、源泉税の支払い時期に合わせて、
役員報酬を調整することは危険です。
税務調査があった場合は否認されるリスクがあるからです。
実際、争われた事例でも税務署側が勝つ採決が出ています。
いかがですか。
役員報酬の設定が難しいのは、日本全国どこの中小企業でも同じです。
期首の段階で決めるのは難しいですが、決めるしかないのです。
難しいからといって、後で変更するのはリスクが大きいのです。
ただ、後付けで変更している会社からご相談を頂くこともあるので、
今日はこれをお伝えしました。
源泉税の支払い時期に合わせて、役員報酬を調整するのは止めて下さいね。
なお、1年間の途中で【合法的に】役員報酬を増減させる方法もあります。
私にご相談頂いた方、弊社顧問先様でも導入している会社があります。
特に【売上の増減が大きい業種】には最適な方法です。
どうぞ、ご検討下さい。
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投稿者: 節税のことなら節税専門の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人