子会社からの受取利息を収益に計上しなくてもいい場合
2009年02月10日 09:43
原則として、受取利息は収益に計上しなければなりませんが、計上せず、その分だけ節税をすることができます。そこで、今回は子会社からの受取利息を収益に計上せず、節税するケースについて解説します。
朝4時起きの税理士見田村です。
いつもありがとうございます。
では、今日の1分セミナーにいきましょう。
今回は「関連会社に対する貸付金と利息」をお話しします。
新聞で「○○会社が赤字」という報道が多いですね。
私は「不景気」という言葉を口にすることは嫌いです。
しかし、世の中の状況は厳しいので、これに関するお話をします。
「不景気→赤字→親会社、関係会社から借り入れ」ということはよくあります。
そして、借りたら利息を支払い、経費に計上することが原則です。
また、支払えない場合でも、未払いとして経費に計上します。
ただ、厳しい状況なのに、経費が増えることは更に厳しいですよね。
だから、これを経費にしなくてもOKな場合があるのです。
それは
○倒産を防止するためにやむを得ない
○合理的な再建計画に基づいている
○適正な理由がある
という場合です。
この場合は、
○貸した会社(親会社など)・・・受取利息を収入に計上しなくてOK
○借りた会社(子会社など)・・・支払利息を経費に計上しなくてOK
となるのです。
逆にいえば、これらの条件を満たさないと、
○貸した会社(親会社など)はもらうべき額を寄付したことになる
○寄付金は一定額が経費にならない(=税金が増える)
となるのです。
ただ、子会社などを再建する場合、通常の利息をもらっていては、再建どころではありません。
だから、これらの条件を満たせば、利息0でもOKとしたのです。
さらに、「利息0でもOK」の他に
○通常よりも低い利率で貸してもOK
○債権放棄してもOK
となっています。
もちろん、これらの大前提として「合理的な再建計画」が必要です。
これは
○その額の合理性・・・再建に必要な額の計算が必要
○再建計画の管理・・・支援者(親会社など)が再建計画を管理
などが必要です。
だから、子会社などに利息0で貸す場合、これらをきちんと説明できることが必要です。
しかし、過去には
○事前の段階では、説明できると思っていた
○実際には、合理性が認められなかった
という事例があります。
例えば、昭和54年の国税不服審判所の裁決です。
(前提条件)
○子会社A社、B社に多額の欠損金が発生
○経営指導料の免除、利息の免除をした
○親会社、子会社は運命共同体であると親会社は主張
○A社、B社には多額の欠損金があるから、合理性ありと主張
(国税不服審判所の判断)
○回収不能が生じたと認められる程ではない
○親子会社は運命共同体であっても、それだけで特別扱いはできない
○経営指導料の免除、利息の免除は寄付金とする(=親会社の税金増)
もう1つ、平成14年の国税不服審判所の裁決を挙げましょう。
(前提条件)
○親会社が子会社に対する債権を放棄
○債権放棄しても、債権の返済猶予でも、子会社の再建は変わらない
(国税不服審判所の判断)
○返済猶予と効果が変わらないなら、債権放棄の合理性なし
○債権放棄額は寄付金とする
いかがでしょうか。
厳しい時代のため、グループ間でお金を回すことがあります。
しかし、支援するための貸し付けです。
通常の利息をもらったら、本末転倒であることもあります。
これはそういうケースを支援するためのものです。
もし、あなたの会社が同じ状況なら、ご参考になさって下さいね。
ちなみに、根拠は「法人税基本通達9−4−2」です。
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投稿者: 節税のことなら東京都港区の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人