貸倒損失と債権放棄のポイントとは?
2009年02月24日 09:29
貸倒損失と債権放棄のポイントには色々ありますが、税務上、否認されることもあります。
そこで、今回のメルマガでは貸倒損失と債権放棄のポイントについて解説します。
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朝4時起きの税理士見田村です。
いつもありがとうございます。
さあ、今日の1分セミナーにいきましょう。
2/10に配信したメルマガで「子会社などを再建するための債権放棄などは寄付金にならない(=貸倒損失でOK)」という話をしました。
少しだけ復習をしましょう。
債権放棄をした親会社では債権放棄(=貸倒損失でOK)と処理しています。
つまり、経費になります。
しかし、これが寄付金とされれば、一部しか経費になりません(=税金増)。
だから、債権放棄をするなら、経費(=貸倒損失)になるようにしたいのです。
今日はその続きです。
「子会社の再建=子会社は債務超過」ということが「基本的な」前提です。
しかし、必ずそうとは限りません。
「債務超過でないが、赤字が続く=許認可が取り消される」という業種もあります。
つまり、ビジネスができなくなってしまうのです。
こういう場合も親会社は債権放棄をし、貸倒損失として処理したいですよね。
では、債務超過でない子会社などに対する債権放棄などはどうなるのでしょうか?
結論は「寄付金にならない(=税金は増えない、貸倒損失でOK)」ということです。
根拠は国税庁が発表している「法人税関係質疑応答事例集」にあります。
ここにはこう書いてあります(要約)。
子会社など(=債務超過でない)を再建するための債権放棄でも次のような場合はOK(=寄付金にならない、=税金も増えない)。
○登録、許認可事業の場合
→債務超過でないが、赤字のままでは登録、許認可が取り消される
→倒産する
→これを回避するために、財務体質の改善が必要
○子会社などを整理するにあたり、子会社の事業を売却する場合
→購入者から赤字の圧縮を求められている
このような場合、親会社は債権放棄などをしてもOKで、貸倒損失と処理しても大丈夫なのです。
それから、今回の話の補足です。
許認可や事業売却が関係しない会社でも
○貸借対照表は債務超過でない(帳簿価額ベース)
○実質的には債務超過(時価ベース)
→例:含み損のある不動産がある場合(帳簿価額100、時価30)
になり、経営危機になっている場合もあります。
こういう子会社などを再建するための債権放棄なども寄付金にならず、貸倒損失にできます。
いかがでしょうか。
今の経済情勢では「企業再生」は非常に大きなテーマです。
もちろん、親会社が債権放棄をする場合は慎重な判断が必要です。
なぜならば、これを間違うと、親会社に余分な税金がかかってしまうからです。
正直、厳しい時代です。
だからこそ、適切な処置をすべき時代なのです。
医者の手術と同じで「取り返しのつかない処置」が行なわれていることもあります。
私のところにも色々なご相談があります。
ただ、その中には
「今となっては、この処理しか残っていません」
「この方法を選択された後では、この方法で対応するしかありません」
ということも珍しくありません。
だからこそ、子会社などを再建する場合、企業再生の判断をする場合は慎重にご判断くださいね。
ちなみに、ここでいう「子会社など」とは資本関係の有無だけではありません。
取引関係、人的関係、資金関係などで事業に関連する法人、個人を指します。
ご注意下さいね。
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投稿者: 節税のことなら東京都港区の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人