デット・エクイティ・スワップ(債務の株式化)の活用法
2009年07月21日 18:28
デット・エクイティ・スワップ(DES)を利用した事業承継スキームを解説します。
朝4時起きの税理士見田村です。
いつもありがとうございます。
さあ、今日は前2回のまとめです。
今まで2回(6/30、7/14)に渡り、事業承継について書きました。
新規登録のため、まだ前2回をお読みで無い方は下記をご覧下さい。
○6/30配信「相続税の納税猶予について」
http://www.77setsuzei.com/magazine/2009/06/30/post_39/
○7/14配信「中小企業の事業承継において大切なこと」
http://www.77setsuzei.com/magazine/2009/07/14/post_38/
この2つの内容をまとめると、下記となります。
○社長が会社に貸している貸付金がなくなった
→「貸付金」が社長の相続財産から消えた
○会社の資本金が増えた
→自己資本比率が高くなり、銀行も融資しやすくなる
ただし、相続税の納税猶予を受けるためには大切なことがあります。
それは
○一定以下の資本金であること
または、
○従業員の数が一定以下であること
です。
この相続税の納税猶予は「中小企業」の事業承継を助ける制度です。
そのため、こういう基準があるのです。
具体的には、下記となっています。
<製造業>
○資本金3億円以下
または、
○従業員300人以下(900人以下の場合もあり)
<建設業、運輸業など>
○資本金3億円以下
または、
○従業員300人以下
<卸売業>
○資本金1億円以下
または、
○従業員100人以下
<サービス業>
○資本金5,000万円以下(3億円以下の場合もあり)
または、
○従業員100人以下(200人、300人以下の場合もあり)
<小売業>
○資本金5,000万円以下
または、
○従業員50人以下
だから、増資後の資本金が一定額を超えてしまったら、
○減資する
または、
○従業員の数を減らす
という必要があるのです。
しかし、事業承継のために解雇するわけにはいきません。
そこで、減資を検討します。
この減資の方法を簡単に説明すると、下記となります。
○株主にお金を払い戻さない減資
→資本金を「資本の部の別科目」に振り替える
→自己資本比率は変わらない
○株主にお金を払い戻す減資
→一定額を超えたら、株主は配当金として課税される
→自己資本比率は下がる
ここで大切なことは「減資前の1株当たりの価値を計算する」ことです。
これを計算しないと、思わぬ税金がかかることになります。
これは少し複雑なので、ここでは書ききれません。
逆に言えば、様々な点に注意しなければならないということです。
また、ここから先は各論の要素が強いので、「こういう方法が良い」ということも言いにくい部分になります。
いかがですか?
あなたの会社は事業承継をどのように考えていますか?
もし、私がこの3回でお伝えした方法を実行されるなら、必ず、全体のプランを書いてから実行するようにして下さい。
また、1株あたりの金額は【必ず】計算して下さい。
そうしないと、大火傷をする可能性もありますから。
それから、この3回は「相続税の納税猶予→免除」を前提に書きました。
ただし、同じような方法を使い、「贈与税の納税猶予→免除」という方法もあります。
つまり、「株式の生前贈与」を使った方法です。
これに関しては、またの回にご紹介致します。
○ 顧問契約(料金表は下記URLに記載)
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投稿者: 節税のことなら東京都港区の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人