欠損金が発生した場合の法人税、事業税、住民税
2009年09月29日 08:39
繰越欠損金が発生した場合の法人税の処理方法の解説を続けます。
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朝4時起きの税理士見田村です。
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さあ、今日の1分セミナーにいきましょう。
今回は「赤字が発生した場合の選択基準(その2)」です。
先日のメルマガで、法人税に関するこの選択基準を解説しました。
簡単に言えば、「前期は黒字」、「当期は赤字」という場合、下記のいずれを選択すべきかということです。
○「前期の黒字」と「当期の赤字」を相殺
→納付済みの税金を還付してもらう
→前期が黒字で、納税していることが前提
○「当期の赤字」を繰り越し、「翌期以降の黒字」と相殺
→翌期以降の税金が減る
まだ、お読みになっていない方はこちら
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今日はこの発展編です。
このメルマガを書いたところ、何人かの方から同じ質問がありました。
それは下記の内容です。
○「前期の黒字」と「当期の赤字」を相殺
→これは法人税【のみ】の規定だから、法人税【しか】還付されない
→納付済みの住民税、事業税は還付されない
○「当期の赤字」を繰越し、「翌期以降の黒字」と相殺
→法人税、住民税、事業税の【全て】が減る
だから、「前期の黒字と相殺するのは損ではないか?」ということです。
しかし、これは違います。
なぜならば、「前期の黒字」と「当期の赤字」を相殺した場合、
○法人税
→還付される
○住民税、事業税
→相殺前の赤字が繰り越される
となるからです。
だから、住民税、事業税に関しては、法人税に関係なく、「当期の赤字」は「翌期以降の黒字」と相殺できるのです。
具体例(前回のメルマガと同じ)を挙げましょう。
○前期の黒字は800万円(税率22%)
→前期は「800万円×22%=176万円」を納税
○当期の赤字は800万円
この場合、「前期の黒字800万円」と「当期の赤字800万円」が相殺され、「納付済みの176万円が還付」されます。
しかし、住民税、事業税に関しては当期の赤字800万円は繰り越され、翌期以降の黒字と相殺できるのです。
だから、ご質問があったような損にはならないのです。
いかがですか。
リーマンショック以降、一気に赤字になった会社が沢山あります。
こういう場合、「前期の黒字」と「当期の赤字」を相殺した方がいいのです。
なぜならば、
(先日の繰り返しになりますが、重要なので、再度書きます)
○翌期が黒字になるとは限らない
○翌期が黒字だったとしても、黒字の額は分からない
○翌期以降も赤字の可能性もある
○翌期以降の7年間が赤字なら、最初の赤字は切り捨て
○黒字になったのが7年後の場合、それで得したと言えるのか
→時間が経ちすぎているから
○今の資金繰りを重視した方がいい場合もある
○税制改正で、税率が下がる可能性もある
→民主党が政権を取ったため、次の税制改正は大きく動く可能性が高い
→上記の試算において、得する金額が減る可能性がある
という理由からです。
もし、皆さんの会社が該当するならば、検討して下さいね。
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代表取締役・代表社員・税理士見田村元宣
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投稿者: 節税のことなら東京都港区の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人