黒字倒産を避けるキャッシュ・フロー計算書の考え方
2009年10月20日 05:46
黒字倒産、勘定合って、銭足らずの原因はキャッシュフロー計算書を作成すれば、解明できます。今日はこれを解説します。
朝4時起きの税理士見田村です。
いつもありがとうございます。
相変わらず、税務調査に関するご相談が沢山、日本全国から舞い込んできます。
そして、その多くが事前、または、事後に対策できたものばかりです。
ただ、「税務調査をどう乗り切るか」は非常に重要な問題です。
それは、下記サイトの動画でも解説しているように、今後の「税務調査の頻度」が変わる可能性があるからです。
税務調査は必ず「事前、事後の対策」をきちんとして下さい。
それを行なうかどうかで、会社の今後は大きく違うのです。
http://www.success-idea.com/220170/
では、今日の1分セミナーにいきましょう。
今回は「売れる機会損失と在庫の関係」を解説します。
営業マンは「売ってなんぼ」の商売です。
査定、賞与も売上ベースで決まることがよくあります。
だから、「売れるケースだったのに、在庫が無かった」ということを非常に嫌がります。
しかし、これは営業マンに限ったことではなく、売ることだけに目が行き過ぎている社長も同じことなのです。
例えば、期末近くにある商品が売れそうだったため、下記商品を仕入れました。
○仕入・・・1個5円の商品を10個
→仕入額は「5円×10個=50円」
○売価・・・1個10円
しかし、実際には2個しか売れませんでした。
結果として、下記となります。
○売上20円
○原価10円
○利益10円
○法人税4円(利益×40%)
○期末在庫40円(仕入額50円−原価10円)
もちろん、この商品を仕入れたことにより、【売上も】【利益も】上がりました。
しかし、在庫が40円も残っています。
ちなみに、この状態をキャッシュフローに直すと、下記となります。
(1)税引後の当期利益10円−4円=6円
(2)キャッシュフロー6円−40円※=△34円
※在庫の増加はキャッシュフローの計算上、マイナスします。
だから、利益は出ていても、キャッシュフローはマイナスになるのです。
この△34円を別の算式で計算してみましょう。
(1)入金額・・・売上20円
(2)支払額・・・仕入50円
(3)法人税・・・4円
(4)(1)−(2)−(3)=△34円
これで最初の計算と一致します。
いわゆる、「勘定合って、銭足らず」、「黒字倒産」の原因です。
実際、上場会社でも過剰在庫で黒字倒産する会社は沢山あります。
こうやって計算してみると、当たり前なのですが、営業の現場では「機会損失」を嫌がります。
だから、ついつい【目の前の売上】に飛びついてしまうのです。
そして、売上が上がり、利益も上がったことを喜んでしまうのです。
今回の計算は非常に単純にしたので、税金も支払えました。
しかし、実際の現場では売掛金や買掛金もあります。
返済する借入金もあります。
だから、「黒字なのに、税金を払うお金が無い、節税したい、しかし、節税のためのお金もない」という状態になってしまうのです。
ただ、お金が無い理由はキャッシュフロー計算書を作れば解明できます。
しかし、中小企業はキャッシュフロー計算書をあまり作りません。
なぜならば、税務署に提出する必要が無いからです。
しかし、資金繰りが厳しいならば、その原因を解明しないと、改善することすらできません。
その解明のために、キャッシュフロー計算書は重要なのです。
いかがですか?
あなたの会社のキャッシュフローは問題ありませんか?
もし、苦しいならば、キャッシュフロー計算書を作成しましょう。
まずは、「苦しい原因」を知ることが大切なのです。
ちなみに、単発の「キャッシュフロー計算書の作成」も承ります。
お問い合わせは下記より「単発のご相談」をご選択頂き、備考欄に「キャッシュフロー計算書の作成依頼」とお書き下さい。
料金は内容をお聞きし、お伝えします。
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投稿者: 節税のことなら東京都港区の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人