中小企業の法人税率(18%→11%)は先送りか?
2009年10月25日 13:16
中小企業の節税を考える場合、税率というテーマがあります。今日はこの税率に関して、解説します。
政府税制調査会は、民主党のマニュフェストにも書かれてある中小企業の法人税率の引き下げを来年度は見送り、2011年度以降にする検討に入ったそうです。
確かに、マニュフェストに期限は書いてないものの、選挙時のトーンとしてはすぐにやるというレベルでしたね・・・。
もちろん、財源不足も分かるのですが・・・。
これを実際に法人税額で考えてみましょう。
ちなみに、18%が11%に引き下げられるには、あくまでも課税所得が800万円以下の部分で、800万円超の部分は30%になります。
○ケース1、課税される所得が800万円の会社の場合
(現在)
800万円×18%=144万円
(引下後)
800万円×11%=88万円
(差額)
144万円−88万円=56万円
○ケース2、課税される所得が100万円の会社の場合
(現在)
100万円×18%=18万円
(引下後)
100万円×11%=11万円
(差額)
18万円−11万円=7万円
ただ、前回の22%から18%になったときも思ったことは、「減税を%で表すと、なんとなく減るような気がするが、実際の減税額にしてみると、それほどインパクトのある減税額にはならない」ということです。
ここは数字のマジックというか、人間の感覚的な部分ですね。
例えば、上記のケース1で考えてみましょう。
ケース1の所得が800万円出せる中所企業は今の時代でいえば、いい企業に入ります。
しかし、減税額としての効果は56万円です。
実際には、住民税の納税額にも影響するので、もう少しだけ多くなりますが・・・。
しかも、この56万円は年1回の納税の段階で反映されるだけで、「実際に減ったなあ」という印象をあまり与えない部分になります。
実際、月ベースに直せば、課税される所得が800万円の会社で約46,000円です。
だから、法人税率を下げ、設備投資などの国内需要を底上げしていこうというには、少なすぎる数字ですね・・・。
もちろん、景気の底上げによる市場の回復なども重要ですが、税制という立場からすれば、もっと効果のある減税政策が必要なのです。
投稿者: 節税のことなら東京都港区の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人