外注費、給与(労務費)の源泉所得税、消費税の違い(3)
2009年11月19日 15:07
外注費か?、給与(労務費)か?に関する解説を続けます。
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朝4時起きの税理士見田村です。
いつもありがとうございます。
11月半ばになり、税務調査の最終交渉をしている会社もある時期ですね。
当然ですが、この結果が今後の経理処理に影響する場合もあります。
そういう前提で、税務署との交渉をして下さいね。
それから、毎年毎年【必ず】ご相談頂く項目があるので、今日の1分セミナーはこれを解説します。
それは支払った経費が
○外注費なのか?
○給与なのか?
という論点です。
会社が「外注費」として支払った経費が「給与」と否認されれば、
○消費税の控除ができない
○源泉所得税の徴収もれ
という【ダブルパンチ】になります。
そして、過少申告加算税、不納付加算税、延滞税も付いてきます。
だから、税務調査でこの否認は絶対に避けたい部分なのです。
もちろん、明らかに外注費、明らかに給与という経費は問題ありません。
しかし、会社が外注費と【考えている】経費に給与である要素が入り込む場合もあります。
そして、
○外注費なのか?
○給与なのか?
という【グレーゾーン】になるのです。
では、これはどう判断すべきなのでしょうか?
結論からいうと、完全に明確な線引きはありません。
ただし、一定の判断基準はあります。
この基準を通達、過去の判例、東京国税局の内部資料から、列挙しますので、参考にして下さい。
なお、あくまでも「例示」なので、この点はご注意下さい。
○仕事を他人と代わることができるか・・・YESなら外注費
○仕事に関して、指揮監督を受けるか・・・YESなら給与
○引渡し前の商品が不可抗力のため駄目になった場合、その人が働いた報酬を請求できるか・・・YESなら給与
○材料が提供されているか・・・YESなら給与
○作業用具が提供されているか・・・YESなら給与
○雇用契約などがあるか・・・YESなら給与
○場所、時間の拘束を受けるか・・・YESなら給与
○継続的、断続的に労務の提供があるか・・・YESなら給与
○その人がリスクを取っている独立した仕事か・・・YESなら外注費
○営利性があるか・・・YESなら外注費
○労働基準法の適用を受けるか・・・YESなら給与
○組織図、配席図に名前があるか・・・YESなら給与
○役職(部長、課長等)が付いているか・・・YESなら給与
○社内の規程に従うこととされているか・・・YESなら給与
○有給休暇はあるか・・・YESなら給与
○他の従業員と同様の福利厚生を受けることができるか(社宅など)・・・YESなら給与
○通勤手当の支給を受けているか・・・YESなら給与
○他の従業員と同様の手当を受けることが可能か(住居手当など)・・・YESなら給与
○残業手当、賞与はあるか・・・YESなら給与
○退職金の支給の対象とされているか・・・YESなら給与
○労働組合に加入できるか・・・YESなら給与
○支払者からユニフォーム、制服等が支給されているか・・・YESなら給与
○名刺、名札などにより、会社に属していることが分かるか・・・YESなら給与
○支払を受ける人の提供する仕事が許認可を要する場合、本人は資格を持っているか(例:運送業)・・・YESなら外注費
○材料等の在庫を自己管理しているか・・・YESなら外注費
○報酬の値引き、値上げ等の判断を自分で行うことができるか・・・YESなら外注費
○その会社以外の顧客があるか・・・YESなら外注費
○以前に他の会社で同じ仕事を行っていたか・・・YESなら外注費
○店舗を持ち、一般客にも販売しているものか・・・YESなら外注費
○その会社以外からの受注を受けることが禁止されているか・・・YESなら給与
○同業者団体に加入しているか・・・YESなら外注費
○従業員を雇用している人か・・・YESなら外注費
○その業務に関する損害保険等に自分で加入しているか・・・YESなら外注費
○業務に関して、会社のマニュアルに従うこととされているか・・・YESなら給与
○会社の作ったスケジュールで仕事をしているか・・・YESなら給与
○仕事を行なう手順、方法などの判断は本人が行うか・・・YESなら外注費
○本来の業務のほか、会社の命令により、他の業務を行うことがあるか・・・YESなら給与
○旅費、交通費を会社が負担しているか・・・YESなら給与
○報酬の最低保障があるか・・・YESなら給与
○請求書等の作成がされているか・・・YESなら外注費
○その報酬が材料代等の実費とこれ以外に区分して請求されているか・・・YESなら給与
○その報酬が経費分も含めて一括で請求されているか・・・YESなら外注費
繰り返しになりますが、これらはあくまでも「例示」であり、これらから「総合的に判断する」ことになります。
税務調査で「外注費か?」「給与か?」ということは問題になりやすいテーマです。
少しでもグレーゾーンになっている要素があるならば、この基準を参考にし、税務調査で問題にならないようにして下さい。
繰り返しになりますが、否認されたら、【ダブルパンチ】なのです。
もちろん、この他にも税務調査で気をつけるべきことは沢山あります。
そして、ご相談をお受けしていて思うことは、「事前対策が足りませんでした」という声が多いことです。
DVDをご覧になってから、ご相談にいらっしゃったお客様は、「もっと早く、DVDを見れば良かった」ともおっしゃいます。
当然ですが、税務調査で見られるのは【日頃の処理の結果】です。
だから、税務調査の対策というのは【日頃の対策+税務調査時の対策】なのです。
しかし、多くの会社は税務調査になってから慌てるのです。
だから、良い結果を生まないこともあるのです。
○今回の税務調査で痛い目を見た会社も
○将来の税務調査の事前対策をしておきたい会社も
必ず「税務調査の徹底対策DVD」で必要な知識を身に付けて下さい。
必要なければ、購入されなくてもいいですが、迷われているなら、購入することをお勧めします。
それだけ、きちんと作った商品なので、下記のお声も頂いています。
●岐阜県各務原市永井孝幸税理士事務所税理士永井孝幸様
税務調査の立会いにおいて大変参考になりました。
また、「勘定科目チェックリスト」は決算の時にも大変役立ちました。
●愛知県名古屋市谷澤真輔税理士事務所税理士谷澤真輔様
ありがとうございました。
大変よくまとまっていると思います。
まだ一度も税務調査を受けたことがない人は、このDVDで学習されたほうが良いと思います。
「税務調査の徹底対策DVD」はこちらです。
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