未収利息は税額控除ではなく、節税
2009年11月24日 08:17
別の会社にお金を貸した場合、未収利息(もらっていない利息)でも計上することが原則です。しかし、未収利息を計上しなくてもいい場合があります。そこで、今日はこれを解説します。
朝4時起きの税理士見田村です。
いつもありがとうございます。
先日、政府がデフレ宣言をした通り、厳しい経済状況が続いています。
こんな状況なので、関係会社間で資金を融通し合うケースも増えています。
そこで今日の1分セミナーは「貸付金の利子を計上しなくてもOKなケース」を解説します。
例えば、関係会社の中に
○黒字のA社
○赤字のB社
があり、A社がB社にお金を貸していたとします。
しかし、B社は資金繰りが厳しく、元金も利息もA社に返済できない状況です。
そして、決算を迎え、税理士にこう言われました。
○A社では「未収の受取利息」を収入にして下さい
○B社では「未払いの支払利息」を経費にして下さい
○実際に支払ったかどうかは関係なく、発生ベースで考えて下さい
そして、
○黒字のA社はもらっていない利息を計上しました
→税金を余分に支払いました
○赤字のB社は支払っていない利息を経費にしました
→赤字が膨らんだだけ
→税金が還付される訳ではない
という処理をしました。
つまり、【A社が余分に税金を支払っただけ】という状態です。
もちろん、将来的にB社が黒字になれば、今回の赤字と相殺され、税金も少なくなります。
しかし、将来のことは分からないし、少なくとも、現時点ではA社の負担だけが増えたことは事実です。
しかし、A社は未収の利息を計上しなくてもいいケースがあります。
それは、債務者(今回のB社)が下記のいずれかに該当する場合です。
(1)利息をもらっていない場合
○債務者は債務超過などの状況
○督促をしても支払ってもらえない
○事業年度の後半6ヶ月以内に利息をもらっていない
○直近6ヶ月等以内にもらった利息が0円、または、少額であること
(2)相手の経済状況による場合
○債務超過が相当の期間に渡り、事業が好転する見通しがない
○天災事故、経済事情の急変等により多額の損失を被った
○貸付金の全額、または、大部分の回収が危うい
(3)法的な手続きがある場合
○債務者につき、会社更生法の決定、債権者集会の協議決定等があった
実際には、もう少し詳細に書かれていますが、簡単に書くとこうなります。
だから、このようなケースであれば、
○A社はもらっていない利息を収入に計上しなくてもOK
→余分な税金を支払わずに済む
○B社は支払っていない利息を経費に計上しなくてもOK
→将来的に相殺できるか分からない赤字が増えない
とできるのです。
ここは税理士でも勘違いしているケースがよくあるので、あなたはご自身の会社の決算書をきちんと見る必要があります。
不況の折、資金を融通し合うケースが増えていますが、細かい部分にも注意し、余分な税金を支払わないようにしましょう。
もちろん、還付の制度もありますが、基本的には、一度支払った税金は戻ってこないのです。
だから、「最初の申告の段階でどういう処理をするのか」ということが非常に大切なのです。
特に、11月は1年の中でも2番目に申告が多い月です。
大きな節税も、小さな節税も、モレの無いようにし、最大限の節税をすべきなのです。
しかし、多くの会社でこういう処理がモレていることも事実です。
そして、経営者はそのモレに気が付いていません。
さらに、税務調査が入っても、税務調査官はそういう目で適正かどうかを見ている訳ではありません。
この結果、こういうモレは闇から闇に葬りさられてしまうのです。
私が「絶対節税の裏技77」を書いた理由はここに「こそ」あるのです。
そういう観点で書いているので、下記のご感想を頂くのです。
<神奈川県小田原市 岡本智 様>
一気に読ませていただきました。
内容の一部はこれまで実践したことが間違っていなかったことへの安堵感を抱くとともに、大部分につきましては「もっと早く知りたかった」、「こういう方法があればあの時・・・」といったことが頭をよぎりました。
「目からウロコ」とはこういうことを言うのかと改めて実感した次第です。
税理士事務所での監査経験、事業会社での経理経験と経理(会計・税務)の世界で実業を経験してきましたが、これからの実務にあたる際の「教科書」として常に手元において活かしていきたいと考えております。
購入してよかった!
率直に思える出版物です。
発行していただきましてありがとうございます。
感謝と共に
岡本様、ありがとうございます。
「絶対節税の裏技77」では
○経営者と知って欲しい節税
○役員報酬の設定に関するポイント
○決算の時にチェックして欲しい項目
などを77の項目から解説しています。
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投稿者: 節税のことなら東京都港区の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人