税務調査の結果から学ぶべきこととは?
2009年11月25日 08:42
税務調査の結果が出ると、反省すべきことも沢山あります。そこで、今日は税務調査の結果が出たら考えるべきことを解説します。
この秋に税務調査を受けた会社も大半の会社は税務調査の結果が出て、税務調査も終了する時期となりました。
そこで、今日は税務調査の結果から学ぶべきことを解説します。
(1)税務調査で指摘されたこと
税務調査で否認はされなかったが、結果として、検討、または、改善するように指摘された項目があります。
これに関しては、次回の税務調査時にもチェックされる可能性が高いため、基本的には改善すべきです。
ただ、指摘と言っても、そのレベルには違いがあります。
だから、税務的にグレーゾーンである場合などは税務調査官も指摘はできても否認はしにくいケースもあります。
実際に、「常勤役員である奥さんの役員報酬が高い」と税務調査がある度に指摘はされるが、否認されたことはないという会社もあります。
だから、その内容、レベル、会社の実態次第ですが、改善すべきことは改善し、経営のバランスからこのまま継続した方がいいことは次回の税務調査で説明すべき根拠を用意した上で継続すべきなのです。
(2)税務調査で否認されたこと
「今回の税務調査で否認されたから、次回の税務調査では見られないだろう」と考える人がいますが、それは間違いです。
今回の否認項目は記録として残り、次回の税務調査の際には、その記録を見たうえで税務調査官はやってきます。
当然、今回の否認項目が改善されているかどうかは「必ず」チェックするので、今回の税務調査で否認された項目は改善しておく必要があるのです。
だからこそ、今回の税務調査の結果をどういう結果に落ち着けるかということが大切なのです。
これが今後の経理処理にも影響し、次回の税務調査時にもチェックされるのです。
(3)税務調査官に十分な説明をして、否認されなかったこと
グレーゾーンの項目で税務調査官に十分な説明をした上で否認されなかった項目があります。
しかし、税務調査官も判断を誤る場合があるので、次回の税務調査時には別の判断になる可能性があります。
ただ、明らかに前回の税務調査官の判断ミスである場合、それは次回の税務調査時の否認を避けることができます。
実際、税務調査官が判断ミスをした結果、そのまま同じ経理処理、税務判断を継続した結果、次回の税務調査で否認され、争いになり、結果として、納税者が勝った事例もあります。
ただし、今回は前回の税務調査官のミスが原因だったので、勝てましたが、最終的には正しい経理処理、税務判断に正す必要があります。
だから、あなたの会社に今回の税務調査で十分な説明をした上で指摘も否認もされなかった項目があれば、仮に、その税務調査官の判断が間違っていたとしても、次回の税務調査では否認されずに済むのです。
もちろん、それが間違った処理であれば、最終的には正しくする必要がありますが、とりあえず、次回はクリアできるのです。
大切なことは、今回の説明内容、根拠、税務調査官名などの記録を残し、次回の税務調査に備えることです。
そうしないと、数年後にはなんとなくしか説明できませんから。
いかがですか?
税務調査の季節も終わりに近づき、色々な反省が会社にはあるはずです。
税務調査は憂鬱になることもありますが、会社が変わるきっかけにもなり得ます。
実際、当社の顧問先様でも「税務調査の連絡が来た時は憂鬱だったけど、結果としては来てもらって良かった」とおっしゃっている社長さんもいます。
当社のお客様ではありませんが、税務調査があったことにより、従業員の横領が発覚した会社もあります。
税務調査は納税と同じで、経営をしていれば、避けては通れない道です。
こういう機会だからこそ、経営を改善するきっかけと考えましょう。
投稿者: 節税のことなら東京都港区の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人