過剰在庫による黒字倒産を避ける損益計算書の考え方
2009年12月15日 13:26
売上の機会損失を防ぐための過剰在庫は、キャッシュフローを悪化させ、黒字倒産を招きます。
今日のメルマガでは「過剰在庫による黒字倒産」を防ぐために、キャッシュフロー計算書、損益計算書の作成の解説をします。
--------------------------------------------------------------------
<ご友人、知人にもこのメルマガをご紹介頂ければ、幸いです。>
http://www.success-idea.com/magazine/
<顧問契約、相続税のご相談、単発のご相談のお問合せは>
本社:03−3539−3047(平日9:00〜19:00)
横浜支店:045−440−6087(平日9:00〜18:00)
http://www.77setsuzei.com/form/consul/index.html (24時間受付)
--------------------------------------------------------------------
朝4時起きの税理士 見田村です。
いつもありがとうございます。
12月も半ばになり、年末商戦の真っ只中ですね。
また、年明けには3月決算セールに向け、発注する会社もあるでしょう。
ただし、こういう時期だからこそ、考えて欲しいことがあるのです。
まずは、復習です。
以前に解説した「売上の機会損失、在庫、キャッシュフローの関係」
というメルマガをまだ読んでいない方は下記をお読み下さい。
http://www.77setsuzei.com/magazine/2009/10/20/post_25/
この内容は言われてみれば当然なのです。
しかし、実際の現場では機会損失を嫌がり、できていないことが多いのです。
例えば、2009年12月9日の日本経済新聞をみてみましょう。
家電量販店のコジマ電機の記事が出ています。
この記事によれば、
○ メーカーからの販促協賛金が欲しいから大量に仕入れる
○ 3月末は過剰在庫になる傾向
○ 過剰在庫は見切り販売になる
ということです。
だから、
○ 販促協力金をもらって得をする
○ 見切り販売をし、損をする
という両建てだったのです。
もちろん、見切り販売でも売れた商品はいいですが、
売れ残った在庫は単にキャッシュフロー悪化の原因となります。
別の事例で、松下電器産業(現パナソニック)の例を挙げましょう。
以前、松下電器産業では1兆円あった金融資産が3,000億円に
減ってしまいました。
この主な原因も「売上の機会損失を避けるための過剰在庫」だったそうです。
この時、松下電器産業はとにかく在庫を減らす努力をしたそうです。
つまり、「在庫」は「罪庫」なのです。
なぜ、大企業でさえ、こんな当たり前の理屈に陥るかというと、
株主から「増収増益」を求められる世界だからです。
つまり、損益計算書の世界です。
これと全く同じことが中小企業にも言えます。
多くの中小企業では
○ 事業計画書を作っていない
○ 作っていたとしても、損益計算書の目標値が中心である
となっています。
だから、社長の頭の中は「売上○円、利益○円」となっています。
当然、営業マンにも「売上○円が目標だ」という指示が飛びます。
つまり、損益計算書なのです。
そして、「勘定合って、銭足らず」の世界に陥るのです。
しかし、黒字倒産する会社の原因の【全て】は貸借対象表にあります。
例えば、過剰在庫はこの一因です。
だから、在庫の管理はきちんとすべきなのです。
しかし、多くの中小企業では在庫の棚卸しを期末にしか行いません。
なぜ、期末にしか行なわないかというと、
棚卸しを税金の申告のために行なっているからです。
つまり、「税務署のために在庫の棚卸しをしている」のです。
しかし、これではいけません。
「棚卸しは企業の財務状態を知るために行なうべきもの」なのです。
たしかに、マンパワーの問題から、そこまでできない場合もあるでしょう。
しかし、期中は実際の棚卸しでなく、帳簿上だけの棚卸しで十分です。
少なくとも販売管理のシステムを導入すれば、在庫の管理は可能になります。
また、市販のソフトなら安価な物も沢山あります。
中小企業だからこそ、損益だけでなく、
期中での在庫の管理もきちんと行なうべきなのです。
いかがですか?
皆さんの会社では、毎月の在庫を把握し、改善していますか?
もっといえば、
(1)棚卸資産の回転日数(棚卸資産÷売上×365日)
(2)売掛債権の回収日数(売掛債権÷売上×365日)
(3)仕入債務の回転日数(仕入債務÷売上×365日)
を毎月の試算表ベースで計算することが大切です。
この「(1)+(2)−(3)」が「運転資金の足りない日数」です。
逆に言えば、通常の商取引の中で運転資金が不足しているならば、
(1)、(2)、(3)のどれかを改善すればいい訳です。
そのためには、毎月の棚卸しは不可欠なのです。
○ 12月は年末商戦もあり、多くの在庫を抱える時期
○ 年明けは3月決算セールに向け、多くの発注をかける時期
でもあります。
しかし、「在庫は罪庫」と憶えておいて、過剰な発注は避けるべきなのです。
増収増益で目標達成でも、
○ 営業マンの歩合給が増える
○ 過剰在庫でキャッシュフローはマイナス
○ 過剰在庫は見切り販売、廃棄
では意味がないのです。
もっといえば、過剰在庫を見切り販売、廃棄しても
営業マンに支払った歩合給は返ってこないのです。
そこまで考えた上で仕入を行なわなければ、会社は継続できないのです。
---------------------------------------------------
(株)日本中央会計事務所・日本中央税理士法人
代表取締役・代表社員・税理士見田村元宣
(本社)
東京都港区西新橋2丁目6−2 ザイマックス西新橋ビル3F
電話:03−3539−3047
(横浜支店)
神奈川県横浜市西区高島2−19−12横浜スカイビル20階
電話:045−440−6087
○顧問契約、単発のご相談のお問合せは
http://www.77setsuzei.com/form/consul/index.html
○節税、税務調査のノウハウ(動画あり)
http://www.success-idea.com/zeimu/
---------------------------------------------------
●ご友人、知人にもこのメルマガをご紹介ください。
→ http://www.success-idea.com/magazine/
●恵まれない方のために
みなさんが1クリックすると
協賛企業が慈善団体に寄付してくれます(1クリック=1円)。
今、自分がここにいられることに感謝し、1日1回クリックしませんか。
私も毎日、ワンクリックしています。 http://www.dff.jp/
●本メールマガジンは専門的な内容を分かりやすくするため、
敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。
お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。
また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、
ご注意ください。
投稿者: 節税のことなら節税専門の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人