商品の仕入、在庫の保管とキャッシュフローの関係
2009年12月22日 11:29
商品の仕入と在庫の保管による、「仕入コストと保管コストのバランス」を常に意識することにより、キャッシュフローを健全化し、黒字倒産を防ぐことができます。
そこで、今日の1分セミナーは「仕入とキャッシュフローの関係」について解説します。
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朝4時起きの税理士 見田村です。
いつもありがとうございます。
ここにA、Bという2つの商品があります。
Aは
○ 売価100円、原価50円(原価率50%)
○ 1日に売れる個数は100個
○ 【日】単位で仕入れ(毎日100個の仕入れ)
→ 原価50円×100個=5,000円(毎日、必要な資金)
とします。
Bは
○ 売価500円、原価200円(原価率40%)
○ 1日に売れる個数は10個
○ 【月】単位で仕入れ(10個×営業日25日=250個)
→ 原価200円×250個=50,000円(毎月、必要な資金)
とします。
さて、それぞれの利益はどうなるでしょうか?
<Aの1ヶ月の利益>
(売価100円−原価50円)×100個×25日=125,000円
<Bの1ヶ月の利益>
(売価500円−原価200円)×10個×25日=75,000円
結果として、Aの方が大きく利益を取れます。
また、Aは日単位で仕入れるので、在庫がなく、
毎日5,000円がクルクルと回ります。
これを月単位で考えれば、
「5,000円×25日=125,000円」が資金額になります。
しかし、Bは月単位で仕入れているので、
在庫が残っている間は資金が寝てしまっています。
もちろん、在庫は日々減ってはいき、月末には0になります。
だから、上と同じように資金額を計算すると
「50,000円×25日÷2※=625,000円」になります。
※ 月初には100%の在庫があり、月末には0%となる
※ 月単位で考え、月平均を出すために「÷2」としている
※ 100%と0%の月平均は50%(だから「÷2」)
こう書くと当たり前のようですが、実際の現場では
「そこそこ売れる利益率の高い商品を【必要以上に】在庫している」
ということがよくあるのです。
しかし、実際の利益の総額、必要な資金額を計算すると、
「利益率の高い商品の方が効率が悪い」ということがあるのです。
だから、どの商品を何個仕入れるべきかということは
○ その商品の粗利益率
○ 商品の回転率
で考えなければならないのです。
もちろん、トヨタ自動車のカンバン方式のように
必要時に必要分だけを仕入れることができれば理想です。
しかし、それはできる場合とできない場合があるので、
できるだけ短い単位で仕入をすることが大切なのです。
ただし、何度も発注をする場合に注意すべきことがあります。
それは「仕入コスト」と「保管コスト」のバランスです。
何度も仕入をすれば、輸送費などの仕入コストが上昇します。
逆に、大量に仕入れて保管すれば、倉庫代などの保管コストがかかります。
だから、このバランスを考えることが重要なのです。
在庫を減らすことを意識しすぎて、
仕入コストが上がらないようにすることが重要なのです。
いかがですか?
○ 過剰在庫を持たない
○ 仕入をすべき個数は粗利益率、商品の回転率の両方を考える
○ 仕入を複数回に分けた場合の仕入コストの上昇を考える
ということが大切なのです。
以前にも書きましたが、
こういうことを意識しなくても、増収増益にはなってしまいます。
しかし、これこそが
「勘定合って、銭足らず」、「黒字倒産」の原因なのです。
皆さんはよく憶えておいて下さいね。
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投稿者: 節税のことなら節税専門の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人