税制改正による「同族会社の社長の役員報酬の損金不算入」に伴う節税の注意点
2010年01月19日 09:57
平成23年度の税制改正で「同族会社の社長の役員報酬の損金不算入」が形を変えて再スタートします。
本日のメルマガでは、この新しい「同族会社の社長の役員報酬の損金不算入」の開始に伴う節税の注意点を説明いたします。
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おはようございます。
朝4時起きの税理士 見田村です。
お正月気分も抜け、そろそろ仕事も波に乗り出した頃でしょうか。
そんな季節になると、税務調査の連絡を受ける会社も出てきます。
ちなみに、ここ3年間の国税庁における国税専門官の採用状況は
○ 平成19年度・・・825人
○ 平成20年度・・・1,045人
○ 平成21年度・・・1,139人
となっています。
なぜ、国税専門官の採用人数を増やしているかは分かりますよね。
税務調査は「事前対策」が本当に重要です。
皆さんが「うちもそろそろ来るかもしれない」と思うなら、
下記DVDを見ておいて下さいね。
税務調査官が来た後に見て、「しまった」と後悔する方も多いDVDです。
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では、今日の1分セミナーにいきましょう。
今回は「同族会社の社長の役員報酬の損金不算入」についてです。
平成18年度の税制改正で
同族会社の社長の役員報酬の一部※が経費にならなくなりました。
※一部とは、社長の役員報酬の給与所得控除額
例:社長の年収が2,000万円の場合
2,000万円×5%+170万円=270万円
この270万円が「新たに」法人税の対象になったのです。
しかし、この制度は平成22年度の税制改正で廃止されます。
ちなみに、平成22年4月1日以後に終了する期から適用されます。
ただし、形を変え、
平成23年度の税制改正で再スタートすることにもなっています。
まずは、この制度の条件を復習しましょう。
この制度は
○ 同族関係者が株式の90%以上を持っている
かつ
○ 常勤役員の50%超が同族関係者である
という会社に適用されます。
この2つの条件は「かつ」なので、
どちらか1つでも外れれば、増税を回避できるのです。
だから、友人などに11%以上の株式を売却し、
同族関係者の持株割合を90%未満にした会社も沢山ありました。
設立当初から他人が11%以上の株式を持っている会社もありました。
しかし、これは「絶対に」やめた方がいい対策です。
もちろん、他人といっても友人などであれば、
株主としての権利は主張しないでしょう。
しかし、株主としての権利を主張しない前提の場合、
他人に株式を持ってもらった効果は「全く」ありません。
そう法律に書いてあるのです。
つまり、他人が株式を持っていても、増税されるのです。
また、他人が株式を持つこと【だけ】でも問題です。
ここで少し話を変えて、他人ではなく、
兄弟で株式を持っている会社を考えてみましょう。
○ 兄が社長(株式50%)
○ 弟が専務(株式50%)
とします。
この一族が2回の相続を経て、孫の代になりました。
そして、
○ 兄の孫(現社長、株式50%)
○ 弟の孫(単なる株主、株式50%)
となったとします。
この場合、兄の孫(現社長)から見て、弟の孫はどういう人ですか?
「おじいちゃんの弟の孫」です。
私の場合、小さな頃に遊んだ記憶がある程度で、
今は街ですれ違っても気付きません。
しかし、そんな人が経営に口を出す権利を持ってしまうのです。
「この状態になってしまう入り口 = 兄弟で株式を持っている状態」
なのです。
話を戻します。
兄弟ですら、この状態になるわけですから、
節税のために、他人に株式を持たせることは「絶対に」やめるべきなのです。
その人の死亡後、奥さん、子供、孫と絶対にもめないと保証できますか?
そんな保証はできないですよね。
また、その人の生死には関係なく、買い戻すことになったとしましょう。
この場合、もともとの出資額が100万円でも、
買い戻す際の税務上の適正額は500万円という場合もあります。
しかも、株式を買い戻しても経費にはならないので、
購入資金は「税金を支払った後の手取り額」ということになります。
買い戻しまで考えた場合、本当に節税になったでしょうか???
それから、私は税理士という職業柄、多くの会社のもめごとを見てきました。
株主を分散させたことによるもめごと。
社長が2人いることによるもめごと。
もめるだけならいいのですが、
数年後に空中分解してしまった例も「本当にたくさん」見てきました。
中小企業において、
会社の意思決定権が分散することは本当に大変なことなのです。
ちなみに、うちの会社も共同経営です。
当社は私と公認会計士の青木寿幸の2枚看板でスタートしました。
正直な気持ちを話すと、
独立当初の時代は空中分解する不安も少なからずありました。
この共同経営を続けてこれた秘訣を聞かれることがありますが、
私はこう答えています。
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もし、空中分解してしまったら、
コストもかかるし、なによりもブランディングのやり直しです。
数年間の苦労が無駄になるのです。
だから、もし空中分解してしまうそうなレベルでもめたら、
青木を社長にし、私は専務として、NO2に退こうと考えていました。
正直、自分が興した会社において自分が退くということは
想像しただけでも「ものすごく辛い気持ち」でした。
しかし、これが私の決断でした。
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今は経営も完全に安定し、そんな不安も0になりましたが、
起業当初はそういう思いを秘め、仕事をしていました。
青木がどう思っていたかは知りませんが、
彼も不安な部分はあったと思います。
こちらだけが不安であるということはないので・・・。
結局、何を言いたいのかというと、
株主を分散させること、または、共同経営をすることは
「非常に大きな決断をもってしないと失敗しますよ」ということです。
もちろん、節税は大切だし、私も色々な提案をしています。
しかし、それは会社の10年、20年先まで考えた上での提案でなければ、
意味がないのです。
目先の節税だけにとらわれてはいけません。
「同族会社の社長の役員報酬の損金不算入」は
平成23年度の税制改正で形を変えて、再スタートします。
だからといって、安易に株式を他人に持たせることはしてはいけないのです。
実際、事業承継でも大きな問題になるのが「株主の分散」なのです。
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