重加算税と過少申告加算税の差額も節税の一種
2010年02月09日 13:26
税務調査で否認されるとしても、重加算税、過少申告加算税のいずれになるかは納税に差額が出て、この交渉も節税の1種となります。そこで、今日のメルマガはこの「重加算税と交渉」ということについて解説します。
おはようございます、朝4時起きの税理士見田村です。
いつもありがとうございます。
まずは、お知らせです。
2/15から中小企業の資金繰りを応援する「景気対応緊急保証」という制度がスタートします。
これは3/31で期限となる「緊急保証」が生まれ変わったものです。
無担保で8,000万円、担保付で2億円が限度額となっています。
また、セーフティネット貸付という制度も延長、拡充されています。
最低でも読んで頂きたい4種類のPDFを日曜日のブログに記載していますので、必要な方はご覧ください。
http://ameblo.jp/mitamura1023/entry-10452649352.html
このような制度が延長等される背景には、中小企業の厳しい実態があります。
営業そのものが厳しくなっている会社もたくさんあります。
その中で税務調査を受け、さらに厳しくなっている会社もあります。
現在は
○税務調査の対象期・・・リーマンショック前も含まれる
○実際の税務調査・・・・リーマンショック後に行われる
となっており、追加の税金が払えないケースもあります。
リーマンショック前にあったお金は、リーマンショック以降の資金繰りで消えています。
そして、税務調査で否認され、過去の利益、税金が増えるという状態です。
結果として、税金が払えなくなる場合もあるのです。
こういう場合は税金の分割払いを交渉すべきですが、「2つの注意点」があります。
(1つ目)
分割払いにするなら、支払っていくお金は「本税※から充当する」ということです(※法人税、消費税、源泉所得税など)。
本税に延滞税はついても、延滞税に延滞税はつきません。
過去にご相談頂いた事例で、そうなっておらず、支払い総額が大きくなっていたものがあります。
ご注意ください。
(2つ目)
当たり前ですが、追加で支払う法人税、加算税、延滞税などは経費になりません。
これは借入金の元金返済と同様です。
例えば、追加で支払う法人税が60としましょう。
この60を支払うためには、「利益100−利益に対する法人税40=手残り60」となります。
つまり、60を支払うためには利益100が必要なのです。
これを逆算すれば、「100÷60=1.7」です。
ということは、 「税務調査での否認額を支払うためには、その1.7倍の利益が必要」ということです。
そういう意識をもって、税務調査の交渉をしてくださいね。
この交渉をするときの1つの大きなポイントが「重加算税」です。
重加算税になるのか、過少申告加算税になるのかにより、納税額も大きく違います。
税務調査官には「重加算税をかけたい」という気持ちが「必ず」あります。
だから、重加算税の対象にならないようなものにも
「これは重加算税の対象になります」と言ってくることがあります。
ちなみに、重加算税をかける根拠は国税通則法68条の「隠ぺい、または、仮装」という部分です。
逆に言えば、隠したり、嘘をついていなければ、重加算税はかからないのが「原則的な考え方」です。
だから、隠したり、嘘をついていなければ、「これは重加算税の対象にはなりません」ときちんと交渉してください。
しかし、従業員が勝手に売上を抜き、横領をした事実を経営者が知らなかった事例で、重加算税がかかった裁決もあります。
これは「経営者が知り得る状況だったのに、そうしなかった」という監督責任が問われたからです。
だから、直接的に隠したり、嘘をついたりすることだけが全てではないのです。
しかし、原則的な考え方は「隠ぺい、仮装がある場合」です。
当然ですが、隠ぺい、仮装には「意思」が必要です。
だから、意図的に隠したり、嘘をつこうと思ったのでなければ、「それは重加算税にはなりません」ときちんと交渉してほしいのです。
なかには、「税理士が税務署側に立っている」というご相談を頂くこともよくあります。
そういう場合でも「経営は自己責任」です。
そんな税理士を選んでいるのも自分。
修正申告書にハンコを押すのも自分。
どんな場合でも「経営は自己責任」なのです。
特に、税理士があてにならない場合は、そういう意識で税務調査に臨み、交渉することが大切なのです。
ご参考までに、国税不服審判所のホームページでは、下記データが公表されています。
○重加算税がかかった事例・・・47件
○重加算税がかからなかった事例・・・16件
だから、税務調査官には「重加算税だ」と言われたが、結果としてかからなかった事例もあるということです。
もっといえば、法人税などの本税の否認は認めたとしても、重加算税だけは認めずに争うこともできます。
いずれにせよ、税務調査において交渉するためには、
○税務調査官の特性、傾向を知る
○交渉の具体的なテクニックを知る
ということが最も大切なことです。
ただし、メルマガでは一気に全てのノウハウをお伝えすることはできません。
もし、○○さんがそういう【自己防衛の知識】を身に付けたいなら、下記DVDをご覧ください。
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投稿者: 節税のことなら東京都港区の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人