銀行と「リスケ」の交渉をして資金繰りを改善する方法
2010年03月02日 09:55
資金繰りが苦しい中小企業が銀行に定期預金を拘束され、月々の返済に困っているケースがあります。
このまま銀行の言いなりになっていると何も改善されませんので、ここは「リスケ」の交渉を銀行とするべきです。
そこで銀行との「リスケ」の際に注意しなければいけないことを今日のメルマガで解説します。
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朝4時起きの税理士 見田村です。
いつもありがとうございます。
資金繰りの厳しい中小企業が多いですね・・・。
そこで、今日の1分セミナーは
「定期預金の拘束」、「リスケ」について解説します。
2/23のメルマガで定期預金を銀行に拘束されている話をしました。
http://www.77setsuzei.com/magazine/2010/02/23/post_79/
先日、新規のお客様にこれと同じ内容のアドバイスを行ない、
「他の方の役に立つならば、概要を公開してもOK」
というご了解を頂いたので、ご紹介します。
このお客様は
○ 黒字だが、資金繰りは厳しい
○ 毎月、社長からの借入金で回し、社長借入金が大きくなる状態
○ 普通預金の残高は1,000万円
○ 拘束されている定期預金は7,000万円
○ 毎月の元金返済額は350万円
○ 融資はプロパー融資と保証協会付きの融資(合計2億5千万円)
○ プロパー融資に関しては担保あり
という状況でした。
普通預金と元金返済額のバランスだけを考えても厳しいですよね。
「これだけ苦しいのに、今までの税理士は何を見ていたのだろう」
と思いました。
そこで、お客様から定期預金と借入金を相殺する旨を伝えてもらいました。
銀行は3月決算が目の前ということもあり、
支店長と担当者が飛んできたそうです。
しかし、金融庁の監督指針を印刷し、
内容と根拠のご説明もしておいたので、きちんと交渉されたそうです。
結果、借入金2億5,000万円は1億8,000万円になりました。
これで資金繰りはかなり改善されます。
このお客様は2ヶ月に1回、私が訪問している地方のお客様なのですが、
銀行の言うとおりになっていました。
このお客様に限らず、
「銀行の言うことだから、従うしかない」と思っている方は多いですね。
しかし、そんなことはありません。
交渉すればなんとかなることまで、
そのまま受け入れている場合も「多い」のです。
リスケ※の交渉も全く同じです。
※ 銀行に対する返済条件の変更
リスケをお願いすると、銀行は代わりの条件を提示してきます。
たとえば、
○ 金利の引き上げ
○ 担保の追加
○ 保証人の追加
などです。
しかし、これらを全て受け入れる必要はありません。
金利をどれだけ引き上げるかについても、交渉できます。
ちなみに、金利の引き上げについては、
金融庁のガイドラインに「リスケをするなら、金利を上げなさい」
と書いてあります。
だから、一定の引き上げは飲まざるを得ないのですが、
言いなりになる必要はありません。
基本的には「+0.5%」という交渉をすべきです。
ただし、銀行が【ものすごく強硬な態度】の場合は別となります。
リスケの話は別の回のメルマガでがっちり書きますが、
大切なことは、
○ 交渉すること
○ 銀行の言うがままにならないこと
です。
平成18年6月に公正取引委員会が発表した資料でも、
中小企業の多くが【納得しないまま】、
銀行の言うとおりになっている実態が明らかにされています。
当然、この中には交渉すればなんとかなったことも【必ず】あるはずです。
大切なことは「交渉すべきことは勇気をもって交渉する」ことなのです。
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投稿者: 節税のことなら節税専門の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人