同族会社が税制改正で注意すること(グループ法人税)
2010年05月18日 13:04
平成22年度の税制改正にて「グループ法人税」が新しく作られ、同族会社が注意しなくてはならない事が増えました。
今日のメルマガでは、この「グループ法人税」の「資産の売却」にスポットをあて、詳しく解説し、「グループ法人税」の注意点を説明します。
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今回は「同族会社が税制改正で注意すること」です。
平成22年度の税制改正で「グループ法人税制」というものができました。
これは100%の資本関係がある法人間で資産の売買が行なわれても、
「税務上は」この損益を計上しないというものです。
だから、資産の売却があった場合、
○ 損益計算書・・・資産の売却損益が計上される
○ 税金の計算・・・資産の売却損益を計上しない
となるのです。
ちなみに、ここでいう100%の資本関係とは
A社がB社の株式を100%持っている場合だけではありません。
たとえば、下記のようなケースも100%の資本関係になります。
<例1>
○ A社 → (100%) → B社 → (20%) → D社
○ A社 → (100%) → C社 → (80%) → D社
この場合、ABCD社は100%の資本関係となります。
<例2>
○ 社長 → (100%) → B社 → (20%) → D社
○ 子供 → (100%) → C社 → (80%) → D社
この場合、BCD社は100%の資本関係となります。
当然ですが、D社が無いとしても、BC社は100%の資本関係になります。
なお、例2に挙げた親族の範囲ですが、配偶者や兄弟なども入ります。
親戚もかなりの範囲で入ります。
ここまで含めると、中小企業で関係会社がある場合、
多くが100%の資本関係となるでしょう。
ここで問題となるのが、含み損の不動産を持っている場合です。
たとえば、A社は含み損1億の不動産を持っていて、
これをB社に売却し、売却損1億円を出し、節税したいと考えています。
しかし、この1億円は「税務上は」経費にならないため、
節税にはならないのです。
ちなみに、この法律は平成22年10月1日以後の取引から適用されます。
また、対象となる資産は固定資産、土地等、有価証券などです。
ただし、帳簿価額が1,000万円未満の資産は対象外です。
だから、
○ 含み損の不動産があり、含み損を節税に利用したい
○ この不動産は外部には売りたくない(例:本社ビルなど)
という場合、今年の9月30日までに売却しなければならないのです。
逆のパターンとしては、
○ 不動産を貸借対照表から外したい(=売却したい)
○ 不動産の売却益に課税されたくない
という場合は、10月1日以降に売却すればいいのです。
いかがですか。
この「グループ法人税制」に関しては、他の項目もありますが、
今回は資産の売却のみを解説しました。
全てに関して言えることですが、
税制改正と節税はいたちごっこ的な要素があります。
だからこそ、大切なことは
○ 何がどう変わったのか
○ 自分の会社ではどう活かせるのか
○ 抜け道はあるのか
ということを知ることなのです。
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投稿者: 節税のことなら節税専門の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人