役員退職金の支払いに関する注意点
2010年06月14日 12:09
節税するために生命保険に加入し、保険金を役員退職金に充てることがありますが、今回のメルマガはこの節税に関する注意点について解説します。
--------------------------------------------------------------------
<ご友人、知人にもこのメルマガをご紹介頂ければ、幸いです。>
http://www.success-idea.com/magazine/
<顧問契約、相続税のご相談、単発のご相談のお問合せは>
本社:03−3539−3047(平日9:00〜19:00)
横浜支店:045−440−6087(平日9:00〜18:00)
http://www.77setsuzei.com/form/consul/index.html (24時間受付)
--------------------------------------------------------------------
朝4時起きの税理士見田村です。
いつもありがとうございます。
まずは、お知らせですが、
元国税調査官の久保憂希也さんとコラボセミナーを行なうことになりました。
ちなみに、今回のセミナーは税理士さん向けとなります。
久保さんは「税務調査対策を国税内部の視点から【赤裸々に】語る人」です。
だから、私も話をしていて、非常に参考になることが多いのです。
また、久保さんのセミナーを受講された税理士さんも多いかと思いますが、
今回は【新コンテンツ】となります。
この先行割引価格(52,500円→39,800円、2日間のみ)
の告知を6/17(木)に行ないます。
また、懇親会もあるので、かなり微妙なご質問はこの場でご質問ください。
どんなご質問にも回答致します。
ちなみに、私は税務調査を考えた場合に覚えておくべき重要裁決、判例を
解説します。
詳細は木曜日のメルマガをご覧下さいね。
では、今日の1分セミナーにいきましょう。
今回は「生命保険の受取人と役員退職金」です。
節税する方法の1つに生命保険がありますが、その種類は様々です。
そして、会社が受取人として受け取った保険金は
○会社の資金繰り
○銀行への返済
○役員退職金の支払い
などに使われ、その資金の使い道が制限されることは基本的にはありません。
また、生命保険会社も企業リスクの保障額として、
これらの金額をパンフレットなどに載せています。
しかし、この生命保険金の使い道が制限された判決があるのです。
平成12年の名古屋地裁の判決で、
取締役Aの遺族から「生命保険金は役員退職金として払い出せ」と
請求されたのです。
もちろん、取締役Aは同族関係者ではありません。
まずは、前提条件をお話しします。
○昭和55年1月Aが取締役に就任
○平成5年11月役員退職慰労金規定の制定
→ここに下記の記載あり
退職慰労金と関連のある会社加入の保険契約の受取保険金は
全額が会社に帰属する。
○平成5年12月逓増定期保険に加入
→被保険者:A、契約者:会社、保険金受取人:会社
○平成6年6月悪性リンパ腫を発病
○平成7年3月会社を退職
○平成9年9月死亡
○平成10年3月会社は保険金1億3,850万円を受領
→遺族は1億3,850万円を役員退職金として請求
そして、裁判所は下記の判断をしました。
(1)会社が生命会社に支払った保険料は1,970万円
(2)会社がAに支払った退職金は2,515万円
(3)会社は「(1)+(2)=4,485万円」の負担をした
(4){保険金1億3,850万円−(3)}÷4※=2,341万円
→この2,341万円をAの遺族に支払う
→年5%の金利も支払う
※「÷4」の根拠は判例では示されていません。
この判決のポイントは下記の通りです。
○保険契約の目的
この生命保険の目的として、
・役員退職金の支払い
・役員死亡による会社の損害の補填
・役員の福利厚生、遺族の生活保障
も含むことが合理的である。
○受取保険金の全額が会社に帰属する旨の規定があっても関係ない
会社とAとの間には、保険金のうち相当額を遺族に払う旨の合意があった
とすることが合理的である。
法人が生命保険金を受け取った場合、
その使い道は制限されないことが原則です。
しかし、名古屋地裁の判決ではこれが争われ、
保険金の一部が遺族へ役員退職金として支払われたのです。
節税したい会社が生命保険に加入する場合、
第三者である役員、従業員を被保険者とすることも「よく」あります。
しかし、その資金使途が制限されてしまうリスクがあることを
覚えておいて下さいね。
ちなみに、今回の事例の場合、
○平成7年3月Aが会社を退職
○平成9年9月死亡
○平成10年3月会社が保険金を受領
という流れなので、退職後も保険契約を継続したことになります。
その節税対策としての是非は判決の中では述べられていません。
ただし、「解約返戻率を考え、従業員が辞めた翌期の解約は合理的」
とされた国税不服審判所の裁決(平成14年)はあります。
つまり、「解約返戻金に対する保険料の効率」という
経済合理性が認められたのです。
返戻率を考え、「退職の時期」と「解約の時期」を迷うことがあります。
これは法律では明文化されていない部分ですが、
○翌期の解約に関しては、国税不服審判所の裁決あり
○それ以降の解約に関しては、経済合理性「など」で考えるべき(私見)
となります。
この点も覚えておいてくださいね。
---------------------------------------------------
(株)日本中央会計事務所・日本中央税理士法人
代表取締役・代表社員・税理士見田村元宣
(本社)
東京都港区西新橋2丁目6−2 ザイマックス西新橋ビル3F
電話:03−3539−3047
(横浜支店)
神奈川県横浜市西区高島2−19−12横浜スカイビル20階
電話:045−440−6087
○顧問契約、単発のご相談のお問合せは
http://www.77setsuzei.com/form/consul/index.html
○節税、税務調査のノウハウ(動画あり)
http://www.success-idea.com/zeimu/
---------------------------------------------------
●ご友人、知人にもこのメルマガをご紹介ください。
→ http://www.success-idea.com/magazine/
●恵まれない方のために
みなさんが1クリックすると
協賛企業が慈善団体に寄付してくれます(1クリック=1円)。
今、自分がここにいられることに感謝し、1日1回クリックしませんか。
私も毎日、ワンクリックしています。 http://www.dff.jp/
●本メールマガジンは専門的な内容を分かりやすくするため、
敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。
お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。
また、この内容は掲載日現在の法令や通達などに基づいておりますので、
ご注意ください。
投稿者: 節税のことなら東京都港区の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人