税務調査と否認と是認
2010年06月22日 11:09
税務調査があった場合、否認される場合と是認される場合があります。
もちろん、否認されれば納税が発生するので、節税とは逆の話しになります。
また、否認され、争いになる場合もありますが、これはどこまで争うべきなのでしょうか。
今日のメルマガではこれを解説します。
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朝4時起きの税理士見田村です。
いつもありがとうございます。
早速ですが、今日の1分セミナーにいきましょう。
「税務調査が終わった時期だから、考えて欲しいこと」です。
この時期は税務調査も終わり、
ホッとしている会社、憤りを抑えられない会社など、様々でしょう。
最後の詰めの交渉をしている会社もあるでしょう。
そんな折、平成22年6月に
国税庁から「税務調査に関して争った後のデータ」が発表されました。
実際に争った結果はどうなっているのでしょうか。
ちなみに、税務調査の結果に納得できない場合、
(1)税務署長などへの異議申立て
(2)国税不服審判所への審査請求
(3)訴訟(地裁→高裁→最高裁)
という流れで争うことになります。
○異議申立ての結果
→平成21年度の処理件数は4,997件
→納税者の主張の一部、または、全部が認められた割合は11.8%
○審査請求の結果
→平成21年度の処理件数は2,593件
→納税者の主張の一部、または、全部が認められた割合は14.8%
○訴訟の結果
→平成21年度の終結件数は320件
→納税者の主張の一部、または、全部が認められた割合は5.0%
つまり、大半の納税者が負けているのです。
そして、この傾向は毎年、ほぼ同じなのです。
もちろん、負けた理由は様々なので、
ここで細かく解説することはできません。
ただ、私がここで*NAME*さんにお伝えしたいことは
「争った場合、ほぼ負けることは現実」ということです。
もちろん、争うべき場合は争うべきです。
しかし、この場合には下記のことをもう1度、考えて欲しいのです。
○時間、労力がかかる
→資料作成、税理士との打合せだけでも相当の時間、労力がかかる
→時間、労力を建設的な企業活動に費やした方がいい場合もある
→「払わずに済む税金>失ってしまう利益」となっているか?
○費用もかかる
税理士報酬、訴訟の場合は弁護士報酬もかかる
○感情ではなく、理屈で戦えるか?←重要!!!
→理屈で考え、勝てる要素はどの程度あるのか?
→ほとんど負ける戦に飛び込んでいるケースもある
→理屈よりも感情が先に立っている場合もある
→争うことが好き【過ぎる】税理士もいる
→中には、「人として」ひどい税務調査もあるので、それは争うべき
→どんなことがあったか、されたかという証拠、証言が重要
→感情的になってしまう事例こそ、証拠などの理屈の積み上げが重要
→過去に、国家賠償にまで及んでいる事例もある
これらの要素をきちんと考えた上で争うべきなのです。
今日のメルマガは当たり前と言われれば、当たり前かもしれません。
しかし、負けた判決文などを後から読むと、
○このレベルの事例は争うことが徒労に終わる可能性が高い
○なぜ、時間、労力、コストをかけてまで争ったのか?
と思える事例でも争っていることも【現実】なのです。
その結果、平成21年度の処理件数は
○異議申立て・・・4,997件
○審査請求・・・2,593件
○訴訟・・・320件
という争いが起こり、大半の納税者が負けているのです。
この時期は税務調査が終わり、
「どこまで争うべきか?」と議論している会社も沢山あります。
これに関するご相談も多い時期です。
だから、当たり前のような内容でも
○覚えておいて欲しいこと
○私がお客様にお伝えしていること
を敢えて書きました。
無駄な争いをするよりも
会社の未来に向かって建設的な行動をする方が大切です。
必要以上に、過去の結果にこだわらないようにしましょう。
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投稿者: 節税のことなら東京都港区の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人