社長に支払う経費は損金になるのか?
2010年08月31日 09:06
今回の取引きの裏側に節税の意図があったかどうかは分かりませんが、結果として、節税にもなり、貸借対照表も改善されたことも事実です。
今回のメルマガではそんな取引きが税務調査でどうなったのかを解説します。
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朝4時起きの税理士見田村です。
いつもありがとうございます。
では、今日の1分セミナーにいきましょう。
今回は「社長へ払った経費は損金になるのか?」です。
昭和46年1月13日に国税不服審判所がこんな裁決を出しました。
事例は特殊かもしれませんが、
全ての会社に関係する重要な理論があるので、後半で解説します。
(前提条件)
○貸ビル業A社は代表取締役Bにビルの2階を賃貸
○Bは2階に800万円を投資して、バーを経営
○バーの経営不振により、家賃400万円が未収
○第三者の借り手が現れたので、Bに立退料400万円を支払った
→実際には支払わず、家賃の未収額400万円と相殺
○この400万円が否認された(役員賞与)
(納税者の主張)
○立退料400万円には根拠あり
→近隣相場の立退料350万円+造作の補償費50万円
→当初の立退料は約600万円で提示したが、交渉の結果、400万円
○立退料を払っても第三者に貸した方が有利な条件だった
○未収の家賃を相殺するために立退料を計上したのではない
(税務署の主張)
○他の賃借人が立ち退く際に立退料を払った前例がない
○400万円の算定根拠が不明確で、相殺のために計上
○役員賞与と否認することは妥当
(国税不服審判所の判断)
○立退料400万円は妥当(算定根拠もある)
○未収金400万円との相殺であったとしても関係ない
○同族会社だからといって、立退料の支払いが不当ではない
つまり、納税者が勝ったのです。
今、この案件を顧問先の社長から相談されたら、
「役員賞与の可能性が高いから、やめた方がいい」
「新しい借り手が出てきたのだから、いいことじゃないですか」
と答えてしまう税理士さんは多いでしょう。
さあ、ここからが本題です。
立退料に限らず、同族間での取引きは気を使うべきです。
しかし、必要以上に保守的な判断になっているケースもよくあるのです。
実際、私がまだ実務に就く前、ある税理士から
「判断に困ったら、納税者不利で判断すればいいんだよ」
と言われたことがあります。
実務に就いてからも、他の税理士から同じ考えを聞いたことがあります。
とんでもないコメントですね・・・。
もちろん、グレーゾーンの判断をする場合、
○リスクの確率、金額
○お客様がそのリスクを十分に理解しているか
ということは重要です。
しかし、同族間での取引きだからといって、
必要以上に保守的になる必要はないのです。
もし、みなさんが同族間の取引きで判断に迷ったら、
「この取引きは第三者間でも成立するか」ということを考えてください。
これが大きな判断基準の1つです。
しかし、世の中での判断を見ていると
「第三者間なら行なうのに、同族間だから行なわない」
ということがよくあります。
同族会社に対してのみ適用される税法もありますが、それは一部です。
日本全国、税法は1つで、同族会社も非同族会社も関係ありません。
しかし、同族間の取引きを必要以上に保守的に判断した結果、
納税者に不利になっていることがよくあるのです。
「同族会社だから駄目」という法律が無い取引きならば、
第三者間で行なわれる取引きをベースに考えてみましょう。
今までと違った判断が見えてくるかもしれません。
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投稿者: 節税のことなら東京都港区の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人