貸倒損失を経費にするための倒産は合理的でないといけません
2010年10月19日 09:33
不況の昨今、親会社が子会社を解散や営業譲渡することで「貸倒損失などの経費」として処理することができますが、これは「経営がかなり危ない状態」であるということが条件となります。
ただし、「経営がかなり危ない状態」というのは債務超過になっているということではなく、その「合理性」を問われることとなります。
そこで今日のメルマガでは、「経営がかなり危ない状態」に関する「合理性」につい説明致します。
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朝4時起きの税理士 見田村です。
いつもありがとうございます。
今、大阪に出張中のため、ホテルでメルマガを書いています。
ホテルは集中できて、メルマガを書くのには最高ですね〜。
ちなみに、昨日は岐阜に行き、顧問先様との面談。
そのまま大阪に移動し、今日は大阪の顧問先様で研修の講師です。
来週は京都と大阪の顧問先様との面談。
ハードな日が続きますが、頑張ります!!!
では、今日の1分セミナーにいきましょう。
今回は「不況の影響で増えているご相談」を解説します。
不況の影響により、赤字の子会社などの解散、営業譲渡、企業再生などの
ご相談が増えています。
ただし、これに伴い、親会社が一定の負担※を強いられる場合があります。
※ 子会社に対する債権の放棄など
もちろん、この負担が合理的ならば「貸倒損失などの経費」でOKです。
しかし、そうでない場合は「寄付金」となり、
大半の金額が経費にならなくなるのです。
税理士の中には「倒産させれば、経費になるからOK」と言う方もいますが、
これは危険な考え方です。
実際に否認された事例もあります。
では、この合理的かどうかの判断はどう考えればいいのでしょうか?
結論として明確な線引きはできませんが、下記のような基準となります。
○ 子会社など※は倒産しそうであるか?
※ 子会社などとは、資本関係、取引関係などがある事業に関連するものをいう
※ 資本関係がないから、子会社などに該当しないわけではない
○ 親会社が負担をしなければ、さらに損失が拡大するか?
○ 子会社などが倒産した場合、親会社の信用が維持できなくなるか?
○ 負担する額(支援額)は合理的であるか?(過剰な支援ではないか?)
だから、「あまり儲からない子会社を清算したい」という程度の場合、
この清算に伴い、親会社が負担する額は経費にならない可能性があるのです。
結果として、「経営がかなり危ない状態」であることが前提となるのです。
こういう会社の大半は債務超過に陥っているでしょう。
しかし、債務超過であることが絶対条件ではありません。
たとえば、下記のような場合は子会社などが債務超過でなくても、
親会社の負担額は経費になります。
○ 赤字決算のままでは許認可が取り消され、営業ができない場合
→ 営業できなければ倒産するので、財務体質の改善のための負担が必要
○ 営業譲渡をする場合、買い手から赤字の圧縮を強く求められている場合
○ 貸借対照表は債務超過ではないが、資産に多額の含み損がある場合
→ 実質的には債務超過であり、倒産しそうな場合
このように、きちんとした合理性があれば、
債権放棄(=貸倒損失)などの負担額は経費になるのです。
逆に言えば、貸倒損失などの処理をするならば、税務調査に備え、
合理性の説明ができるように資料を揃えておくことが重要です。
ここは金額が大きくなる部分なので、税務調査でも目立ちます。
必ず、上記のような根拠を構築してから、経理処理をしてくださいね。
それから、「親会社の負担」ということにつき、補足をします。
親会社が子会社などにお金を貸している場合、利息をもらうことが原則です。
しかし、子会社などの倒産を防止するなどの合理的理由があれば、
無利息、または、通常よりも低い利息でも問題ありません。
この無利息を採用すれば、
○ 黒字の親会社・・・受取利息を計上しなくてもOK
○ 赤字の子会社・・・支払利息を計上しなくてもOK
となります。
「会社間で貸し借りがある=利息を計上しなければならない」
と思っている社長さんもいらっしゃいますが、そうではありません。
ここは覚えておいて下さいね。
まだまだ苦しんでいる中小企業が多く、
子会社などの整理、営業譲渡、企業再生などのご相談が非常に多いので、
今日はこれをテーマにしました。
円高も続き、自社の努力だけでは厳しい場合もあるでしょう。
しかし、朝の来ない夜はありません。
また、どんな業界でも利益をきちんと確保している会社もあれば、
赤字に苦しんでいる会社もあります。
どんなビジネスでもやり方次第で大きく違うことはあるのです。
当然ですが、1社だけの力で日本経済をどうにかすることはできません。
既存のビジネスモデルの中で頑張るだけでは、先が見えない場合もあります。
そうであるならば、与えられた環境の中で何ができるのか?
これをもう1度考えてみてください。
必ず、そこにヒントが隠れているはずです。
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投稿者: 節税のことなら節税専門の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人