外国税額控除と法人税
2010年11月25日 05:30
今日の話は外国税額控除と法人税という話です。
海外で事業をし、税金を支払った場合、日本での法人税につき、外国税額控除という手続きにより、税金を節税することができます。
今日のメルマガでは、この外国税額控除と法人税について解説します。
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朝4時起きの税理士見田村です。
いつもありがとうございます。
さて、11/16に配信した「節税の真実」というメルマガに関し、
同じご質問を何人かの方から頂いたので、ここで補足いたします。
前回のメルマガをまだお読みでない方は、まずこちらをご覧ください。
http://ameblo.jp/mitamura1023/entry-10708980953.html
ご質問の内容は
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見直し後の保険の内容が違うから、保険料が違うのは当たり前ではないか?
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というものです。
もちろん、それはそうなのですが、
私が言いたいことはそういうことではありません。
私が言いたいことは
○見直しの目的が「資金繰りを理由にした保険料の減額である」
と生命保険会社の資料に記載されていること
○保険料が減るのは、これからの10年だけであること
○最終的な保険料の累計額は見直し前より増えていること
→保険料が増えれば、生命保険会社は儲かります
→保険の見直しにより、代理店も儲かります
→生命保険会社の資料にはこれからの10年しか載っていない
○保険期間が80歳で終わっていること
→80歳を超えたら、「無保険」になります
ということです。
私自身は生命保険を否定するスタンスではなく、
生命保険は節税、事業承継などを考えた場合、重要なものと考えています。
しかし、
○その使い方を間違えるとリスクが増大する可能性がある
○そのリスクを生命保険会社が説明していない
ということを言いたいのです。
補足も含めて、ご確認くださいね。
では、1分セミナーにいきましょう。
今回は「税金を減らせる金額とは?」をお話しします。
今日のメルマガでは海外の税金を例に挙げますが、
他の税法でも適用があるものです。
これが税務調査で問題になることもあるので、
海外の税務は関係ない方も最後までお読み下さいね。
日本国内の需要が低迷する中、
新たなビジネスチャンスを海外に求める中小企業もあります。
もちろん、海外の事業で利益が出た場合、
現地(海外)で納税をすることになります。
ただし、海外での利益は日本の課税「も」受けることになります。
結果として、海外での利益は
(1)海外での利益×海外の税率
→海外で納税
(2)(日本での利益+海外での利益)×日本の税率
→日本で納税
となり、二重課税となってしまいます。
この問題を回避するために、
「(2)の日本での税金−(1)の海外での税金」とする税法があり、
二重課税とならないようになっています。
これを「外国税額控除」といいます。
そして、この控除を受ける金額は申告書※に記載する必要があります。
また、税法には「申告書※に記載した金額の【範囲内】で」
控除を受けることができると書かれています。
※この申告書とは、その期に関して【最初に】提出した申告書
※通常は期限内に提出する申告書が該当
ただし、こういう分野に詳しくない税理士さんも多く、
ミスが起こりやすい部分でもあります。
では、最初に提出した申告書にミスがあり、
「【最初に】提出した申告書に記載した金額<本来は控除できた金額」
となってしまった場合はどうなるのでしょうか?
あくまでも外国税額控除は
「【最初に】提出した申告書に記載した金額の【範囲内】で控除できる」
と税法に書いてあります。
逆にいえば、「その範囲内でしか控除できない」ということです。
修正申告書などの【後から】提出した申告書で
控除額を正しくしても(=増やしても)控除できないということです。
では、後から「納めすぎた税金を還付してもらうための申告」
はできないのでしょうか?
実際に、これに関して争った事例(平21.5.20、国税不服審判所)
があります。
具体的には、還付のための申告をしたら、却下されたという事例です。
たしかに、税法の字面から判断すれば、アウトです。
しかし、国税不服審判所は納税者の主張を認め、還付OKとしました。
その理由は
「たまたま計算ミスがあっただけなので、本来の控除額を認めるべきである」
ということです。
繰り返しですが、あくまでも税法には
「【最初に】提出した申告書に記載した金額の【範囲内】で控除できる」
と書いてあるのです。
しかし、国税不服審判所では、
「【最初に】提出した申告書に記載した金額の【範囲を超えて】控除OK」
としたのです。
だから、最初の申告書を提出した後にミスが発見され、
控除額がもっと大きいことが分かったら、還付の申告はできるのです。
しかし、税務調査官の中には
「【最初に】提出した申告書に記載した金額の【範囲内】でしか控除できない」
という認識がある方もいます。
だから、この裁決を知らない場合は「できません」と言われるでしょう。
もちろん、税務調査官が全ての裁決を知っている訳ではありません。
むしろ、私が主張する裁決を知らないことも「よく」あります。
もし、みなさんの会社がこの話に該当することになったら、
上記の裁決を根拠にきちんと説明する必要があります。
そういう意味で今日の話は覚えておいてくださいね。
なお、冒頭にも書いたように
この話は外国税額控除に限った話ではありません。
「【最初に】提出した申告書に記載した金額の範囲内で」
○税金を減らすことができる
○経費にすることができる
というものは他にもあり、ここでは書ききれません。
一例を挙げると、減価償却費などもその1つです。
実は、減価償却費を経費にするためには、
○損益計算書で経費として計上する
○【最初に】提出する申告書にその金額を記載する
ということが【法的な義務】なのです。
ただ、あくまでもこれは税法の字面の話です。
どんな事例であれ、税務調査官に
「【最初に】提出した申告書に書かれた金額までしかできません」
と言われたら、この裁決をベースに反論してくださいね。
もっとも、内容によっては反論できないものもあるのですが、
そこまで解説すると難しくなるので、また別の機会にお話しします。
今日の話は少し特殊かもしれません。
しかし、特殊であるからこそ、該当した場合は
主張する根拠を見出せずに終わる可能性があります。
顧問税理士も知らない可能性もあります。
そういう意味で覚えておいて欲しい事例なのです。
また、これに限らず、
○税法の字面では駄目と書いてある
○裁決などではOKというものがある
ということはよくあります。
税務調査で否認され、納得がいかない場合、
顧問税理士に過去の裁決などを調べてもらうことも重要なことなのです。
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