養老保険に加入している社員の大部分が親族の場合、福利厚生費でなく給与となります
2010年12月07日 10:24
節税対策として養老保険に加入した従業員の大部分が親族の場合、福利厚生費ではなく、給与として扱われ経費になり、源泉所得税の対象となってしまいます。
この養老保険に関して税務調査時に指摘を受けたとしても、税務調査官に対して交渉する方法はあります。
本日のメルマガでは、多くの生命保険の営業マンが理解していない養老保険について解説致します。
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朝4時起きの税理士 見田村です。
いつもありがとうございます。
12月は約10%の会社が決算を迎える月です。
ちなみに、国税庁発表のデータでは、決算月の分布は下記となっています。
1月・・・3.4%
2月・・・6.6%
3月・・・20.0%
4月・・・7.3%
5月・・・8.3%
6月・・・9.6%
7月・・・7.7%
8月・・・8.9%
9月・・・10.9%
10月・・・4.4%
11月・・・2.9%
12月・・・9.9%
皆さんが節税でお悩みならば、「絶対節税の裏技77」をご覧下さい。
このマニュアルでは
「決算月の違いによるお金の効率の違い」も解説しています。
では、1分セミナーにいきましょう。
今回は「養老保険に加入する場合の注意点」を解説します。
先日、知り合いの生命保険の営業マンの方から電話があり、
こんなご相談を頂きました。
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第三者の従業員が1人、後6人※は親族という会社があります。
※ 祖父、祖母、父、母、子供2人(祖父が社長、後5人は従業員)
この会社から全員加入で養老保険に入ってもらったのですが、
「それは税理士に確認した方がいい」と言われました。
何か問題があるのでしょうか?
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結論の前に「一般的な」養老保険について、整理しましょう。
○ 払った保険料の半分が資産、もう半分は福利厚生費として経費に計上
→ 死亡保険金は遺族、満期保険金は法人という前提
○ 利回りは良いが、解約返戻金が立ち上がるまでに一定の年数がかかる
○ 全員加入が原則である
→ 入社1年以上の社員などに限定することはOK
今回の件で問題になるのは
「第三者の従業員が1人、後6人は親族」という部分です。
この会社は全員が入社10年以上経過しています。
しかし、全員加入であったとしても、ここが問題になるのです。
ちなみに、法人税基本通達には下記の旨が書かれています。
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役員、部課長などの人(これらの人の親族を含む)【のみ】を
被保険者としている場合には、その人に対する給与とする。
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たしかに、今回の養老保険には第三者の従業員も入っています。
だから、親族【のみ】が加入しているわけではありません。
しかし、実務上は加入者の【大部分】が親族である場合、
福利厚生費ではなく、給与として経費になります。
つまり、経費にはなるが、源泉所得税の対象になるということです。
ちなみに、この「大部分」についての明確な基準はありませんが、
税務研究会の書籍「保険税務Q&A」にはこう書かれています。
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実務上は、同族関係者が役員・従業員の約80%以上を占める場合が
該当すると解されているようです。
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だから、これに該当する会社は
養老保険には加入しない方が賢明かもしれません。
しかし、
○ 既に加入してしまっている
○ 加入を検討しているが、微妙なラインなので迷っている
という場合は、こう考えてください。
当たり前ですが、このリスクが実現するのは税務調査があったときです。
もっと言えば、税務調査があったとしても、
これが指摘されるかどうかは別問題です。
さらに、もし指摘されたとしたら、こう回答してください。
○ 法人税基本通達には「のみ」と記載されています
○ 大部分は親族ですが、第三者の従業員も加入しています
○ だから、通達の基準からは外れます
○ 私の意見が違うならば、法的、かつ、具体的な根拠を示してください
税務調査があった場合、
最終的には「税理士の交渉力」などが大きく影響します。
だから、「これで100%OK」とは言えませんが、
問題になったならば、上記のように交渉してください。
まあ、私ならば、てこでも動かない姿勢で、
ガンとして言い張り続けますが(笑)。
今回のご質問は第三者の従業員も加入していましたが、
過去に社長だけを養老保険に加入させてしまった事例もあります。
この時は大慌てで営業マンから電話がかかってきましたが、
これはどうすることもできませんね・・・。
生命保険は税務と密接な関係がありますが、
生命保険の全ての営業マンが保険税務に精通しているわけではありません。
もっと言えば、税理士でも保険税務に詳しくない方は沢山います。
生命保険は節税もさることながら、
会社、役員、従業員、遺族を守るためのものです。
その効果を最大限にするためにも、
加入前に税務上のリスクを確認しておく必要があるのです。
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投稿者: 節税のことなら節税専門の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人