ガン保険の選び方
2011年02月01日 14:23
ガン保険の選び方には色々な基準がありますが、その1つのテーマとして「節税」があります。
今日のメルマガでは節税という基準でガン保険の選び方を考えてみたいと思います。
○○さん、朝4時起きの税理士見田村です。
いつもありがとうございます。
では、1分セミナーにいきましょう。
今日は「ガン保険で節税する場合の注意点」です。
今日は少し難しいかもしれませんが、
重要な内容なので、ゆっくりとお読みくださいね。
節税を目的として、
ガン保険(全額が経費になるタイプ)に加入することがあります。
ただし、これを検討する場合に大きな注意点があります。
それは「保障が開始するまでの【待ち期間】」です。
通常、ガン保険には「3ヶ月の待ち期間」が設定されています。
なぜならば、ガンという病気の性質上、
○保険加入時に本人が知らされていない
○保険加入時に本人が気付いていない
こともあるからです。
その待ち期間にガンと診断された場合などは保障の対象外となります。
そして、払った保険料は返金されます。
では、どういう場合が税務上の問題になるのでしょうか?
それは、期末にガン保険に加入し、
この待ち期間が期をまたがってしまう場合です。
当然、保険料は期末までに支払っています。
結果として、
○保険加入、保険料の支払いは当期
○保険料が返金される可能性あり
○保障が開始するのは翌期
という状態です。
だから、税務調査において、
「債務が確定していない」という理由で指摘される場合があるのです。
ちなみに、法人税において、
債務が確定しているかどうかの基準は次のように定められています。
(法人税基本通達2−2−12)
○事業年度終了の日までに、その費用の債務が成立している
○事業年度終了の日までに、その債務に対する反対給付が発生
○事業年度終了の日まで、その金額を合理的に計算できる
だから、税務調査官はこの通達を根拠として、
「期末までに債務が確定していないので、当期の経費にはできません」
と指摘してくる可能性があるのです。
ちなみに、ガン保険には
(1)「ガンで死亡」の場合に保険金が支払われるタイプ
(2)「ガンで死亡+一般的な死亡」の場合に保険金が支払われるタイプ
があります。
そして、(1)には通常、待ち期間があります。
もちろん、(2)にも待ち期間はありますが、
それは「ガンで死亡」という部分についてです。
逆に言えば、「一般的な死亡」の保障には待ち期間がないため、
契約して保険料を払えば、「債務が確定=経費でOK」となるのです。
厳密にいえば、
○「ガンで死亡」の保険料に対応する部分・・・翌期から保障開始
○「一般的な死亡」の保険料に対応する部分・・・当期から保障開始
となります。
ただし、ここは加入者には区分して提示されていないので、
「保険料=当期の経費」ということで通常はOKでしょう。
ちなみに、平成13年8月10日に国税庁がガン保険に関して、
発表した資料に下記のものがあります。
---------------------------------------------------------------------
保険料は保険期間の経過に応じて平準的に費用化することが最も自然であり、
その払込の都度損金の額に算入する。
---------------------------------------------------------------------
このうち、前半の「保険期間の経過に応じて」という部分を考えれば、
保障の開始は翌期になります。
後半の「払込の都度」という部分を考えれば、
実際に保険料を支払ったのは当期になります。
だから、待ち期間については具体的に書かれていないのです。
いずれにせよ、上記の基本通達により「債務が確定していない」とされ、
税務調査で問題になることがあるのです。
ただし、これについて国税庁では次の見解※を示しています。
※納税通信3098号を加筆修正
○保険契約内容を見て、個別に判断する必要がある
○平成13年の資料は行き過ぎた租税回避の規制を目的としている
○平成13年の資料は待ち期間を前提としたものではない
○平成13年の資料で待ち期間の税務を判断することはできない
当社のお客様でガン保険の経費性を否認されたケースはありませんが、
世の中では否認されているケースもあるでしょう。
もし、○○さんの会社でガン保険を否認されそうになったら、
『平成13年の資料に「払込の都度損金の額に算入」と書いてあります』
と主張してください。
そして、待ち期間のことを指摘されたら、
『「平成13年の資料は待ち期間のことを前提としていない」
と国税庁が発表しています』と抗弁してください。
正直、今日の内容はグレーゾーンの内容で、
完全な正解が無いものになります。
だからこそ、納税者に有利な根拠を提示し、
税務調査官と交渉していくことが重要です。
ただし、安全策を取るならば、
「ガンで死亡+一般的な死亡」で保険金が支払われるガン保険※に
加入することも1つの考え方です。
※全額が経費になるタイプ
最後に・・・。
「節税=【即】生命保険」となることがよくありますが、
それはケースバイケースです。
私も生命保険を提案する場合がありますが、
それは「方法論の1つ」としてです。
私が言いたいことは、誰もが思いつく方法を検討する【前】に、
やるべき節税を「全て」チェックするべきだということです。
節税とは、
○お金の出る節税
○お金の出ない節税
○税金が減る節税
○税金を繰り延べる節税
という側面から検討し、優先順位を付けて行なうべきものなのです。
「絶対節税の裏技77」では節税をこの4種類に分け、
知識だけではなく、知恵の部分も解説しています。
毎年の税制改正版は永遠に無料でお送りしますので、
ご覧になってくださいね。
http://www.77setsuzei.com
---------------------------------------------------
○顧問契約、単発のご相談のお問合せは
---------------------------------------------------
●ご友人、知人にもこのメルマガをご紹介ください。
→
●恵まれない方のために
○○さんが1クリックすると
協賛企業が慈善団体に寄付してくれます(1クリック=1円)。
今、自分がここにいられることに感謝し、1日1回クリックしませんか。
私も毎日、ワンクリックしています。
投稿者: 節税のことなら東京都港区の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人