海外視察費(海外渡航費)はどこまで経費になるのか?
2011年11月29日 13:06
税務調査で必ずといっていいほどチェックされる項目として、海外視察や海外出張の費用等にあたる「海外渡航費」があります。
果たして海外渡航費はどこまでが経費として認められるのでしょうか。
本日のメルマガでは、「具体的な通達」と「解説書の内容」を参考にしながら解説していきます。
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朝4時起きの税理士 見田村です。
いつもありがとうございます。
実は・・・。
先日、私の下の子(男の子)が産まれました〜(嬉)。
上の子とは9歳違いの待望の待望の待望の第二子です。
本当に嬉しいですね。
ただ、よく考えると、この子が20歳になった時に私は63歳、
30歳になった時は73歳です(笑)。
この子の結婚式には出れるかなあ(笑)。
先日に他界した父が71歳だったので、そんなことも考えました。
まあ、健康に気をつけ、これからも頑張ろうと思います。
そんなとってもかわいいうちの子はこんな顔で産まれてきました。
どうぞ、ご覧下さいね。
http://ameblo.jp/mitamura1023/entry-11073067270.html
では、1分セミナーにいきましょう。
今回は「海外視察費はどこまでが経費になるのか?」です。
秋は税務調査が多い季節ですので、
私もいくつかの税務調査に立ち会いました。
この中でもチェックされましたが、
海外視察や海外出張の費用は【必ず】チェックされます。
もちろん、その全日程がビジネスであれば、問題はありませんが、
部分的に観光を伴うこともあります。
円高などに伴い、アジア各国への視察ツアーなども増えています。
さらに、こんなご質問を頂いたこともあります。
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1週間の海外視察に行き、合間の休日に観光しました。
そうしたら、顧問税理士から
「全ての経費を日数按分して、経費になる部分を計算してください」
と言われました。
しかし、休日は仕事をしようにもできません。
休日であっても観光をせず、ホテルにこもっていたら、
経費になったということなのでしょうか?
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では、このような海外視察の経費についてですが、
どういう取り扱いになっているのでしょうか?
観光以外の項目も含め、
○ 具体的な通達
○ 解説書の内容
○ 私の解説
を簡単にまとめていきます。
一般の方はこういう内容をまとめてご覧になることは
あまり無いかと思うので、一通りをご覧下さい。
なお、全てをまとめて書いたので、非常に長いです。
途中で挫折しそうになるかもしれませんが(笑)、
最後まで頑張って下さいね。
必ず、税務調査でチェックされる項目ですから。
また、最後に原文も記載しております。
詳細をお知りになりたい方はそちらもご覧ください。
● 基本通達 その1(海外渡航費の考え方)
海外渡航に関して支払う旅費(日当、宿泊代などを含む。以下同じ)は
業務上必要なものであり、かつ、適正な金額は旅費として経費でOK。
ただし、
○ 業務上必要ではない旅費の額
○ 業務上必要である旅費の額のうち、適正額を超える部分の金額
は、原則として、給与となる。
もちろん、旅行期間の【おおむね】全期間を通じ、
明らかに法人の業務上必要な場合は、
旅費は不当に多額でない限り、その全額を旅費として処理してOK。
だから、合間の休日などに観光したとしても、
おおむね全期間が業務であれば、全額が旅費でOK。
日当、宿泊代などはその渡航先の物価事情、旅行目的、旅行期間など
から考えて適正額を判定(税務上の明確な基準はない)。
また、この通達と関連する下記の資料があります(長文)。
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海外渡航費の取扱いについて(平成12年10月11日、国税庁)
これは「同業者団体等が主催する海外視察等に併せて観光が行われる場合」
を前提にしています。
1、海外渡航費に関して、旅費として経費になる額
海外渡航費を旅費として経理した場合、
次の項目を説明する書類などを基に
海外視察等の動機、参加者の役職、業務関連性などを検討する。
(1)団体旅行の主催者、名称、旅行目的、旅行日程、参加費用の額など
(2)参加者の氏名、役職、住所
※ これらを記した行程表などを保存しておくことが大切です。
2、日数の区分の考え方
観光などを伴う場合、
○ 視察などの日数
○ 観光の日数
○ 旅行日の日数
○ その他の日数
に区分をする。
これは「業務に従事した割合」がどの程度かを考えるためである。
この「業務に従事した割合」という言葉を覚えておき、
読み進めてくださいね。
(1)日数の区分の単位
昼間の通常の業務時間(おおむね8時間) を1.0日として、
その状況に応じて、おおむね0.25日を1単位に計算する。
ただし、夜間業務がある場合、下記の視察等に加算する
(2)視察などの日数
次のような視察で、業務上必要なものに関する日数とする。
・工場、店舗などの視察、見学、訪問
・展示会、見本市などへの参加、見学
・市場、流通機構などの調査研究等
・国際会議への出席
・海外セミナーへの参加
・同業者団体、または、関係官庁などの訪問、懇談
(3)観光の日数
観光の日数は、次のようなものに関する日数とする。
・自由行動時間での私的な外出
・観光に附随する簡易な見学、儀礼的な訪問
・ロータリークラブなどの会議で、私的な地位に基づいて出席したもの
(4)旅行日の日数
原則として、目的地までの往復、移動に要した日数とする。
ただし、「視察などの日数」または「観光の日数」に含めるべき日数は
それぞれに含める。
(5)その他の日数
その他の日数は、次に掲げる日数とする。
・土曜日、日曜日などの休日の日数
ただし、これらの日でも仕事をした日は「視察などの日数」に含め、
観光した日は「観光の日数」に含める。
・土曜日、日曜日などの休日以外ののうち、(2)〜(4)の
いずれにも区分されない休養、帰国準備などの日数
(業務に従事した割合)
業務に従事した割合は上記の日数に区分を基に、次の算式により計算する。
視察などの日数 ÷(視察などの日数+観光の日数)
(旅費として経費になる額の計算方法)
3、旅費としての適正額に「業務に従事した割合」を考慮した割合※
を掛けた金額を旅費として経費処理する。
※10%未満は四捨五入、以下、「旅費として経費にできる割合」という。
ただし、下記の場合はそれぞれの取り扱いとする。
(1)旅費として経費にできる割合が90%以上の場合
全額(適正額)を旅費として、経費にすることができる。
(2)この割合が10%以下の場合
全額が旅費しては経費にならない。
この視察に従業員が行った場合は、従業員に対する給与となる。
(3)海外渡航が業務に必要で「業務に従事した割合」が50%以上の場合
旅費を「往復の交通費」と「その他の額」とに区分し、
「その他の額」×「旅費として経費にできる割合」+「往復の交通費」
が旅費として経費になる額になる。
(4)別行動をとった者などの個別事情がある場合
個別事情を考慮して、業務に従事した割合を計算する。
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ここまでが国税庁平成12年10月11日に発表した資料です。
長かったですね・・・。
以下、基本通達に戻ります。
● 基本通達 その2(業務に必要な海外渡航かどうかの判定)
旅行の目的、旅行先、旅行経路、旅行期間などを総合的に考えて判定する。
ただし、次の旅行は原則として業務に必要な海外渡航に該当しない。
・観光渡航の許可を得て行う旅行
・旅行あっせんを行う者などが行う団体旅行に応募してする旅行
・同業者団体などが主催する団体旅行で、主として観光目的のもの
もちろん、これらに該当する海外渡航であっても、
業務と関連があるものであれば、旅費として経費になります。
これは業務のための渡航でも、就労ビザがおりにくいため、
観光ビザで仕事をすることもよくあるからです。
●基本通達 その3(同伴者の旅費)
親族、社外の人を同伴した場合、
その同伴者に係る旅費は役員は給与として処理する。
ただし、その同伴が次のように必要場合は旅費として処理してOK。
・身体障害者であるため、補佐人を同伴する場合
・国際会議への出席などのために配偶者を同伴する必要がある場合
・通訳、専門知識の高い人が必要だが、適任者が社内にいない場合
● 基本通達 その3(業務に必要な旅行と不必要な旅行を併せて行った場合)
業務に必要な旅行の期間と認められない旅行の期間との比などにより
按分し、業務ではない額は給与となる。
ただし、海外渡航の直接的な動機が特定の取引先との商談、
契約の締結などの業務の遂行のためである場合は、
併せて観光したとしてもその往復の旅費は旅費として処理してOK。
長かったですが、今回の内容は以上となります。
繰り返しになりますが、
海外渡航費は税務調査では【必ず】チェックされます。
そして、これが否認される場合の多くは「役員賞与としての否認」です。
この否認がされる場合、
○ 法人側・・・経費にならない
○ 個人側・・・源泉所得税が取られる
となります。
場合によっては、重加算税がかかることもあるでしょう。
いずれにせよ、これが否認された場合は大きな金額になることもあるので、
ご注意くださいね。
なお、下記が原文となります。
http://ameblo.jp/mitamura1023/entry-11092370608.html
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■編集後記
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ハッピにハチマキ姿の祭りの姿をしています(笑)。
投稿者: 節税のことなら節税専門の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人