消費税と印紙税のリスク
2011年12月22日 10:14
今日のメルマガでは、消費税の引き上げを前提に2つのリスクについて解説致します。
特に収入印紙と印紙税に関しては間違いやすい内容となっていますので、ゆっくりとお読みください。
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朝4時起きの税理士 見田村です。
いつもありがとうございます。
さあ、今回は年内最後のメルマガです。
今年も1年間ご購読いただき、本当にありがとうございした。
来年も厳選した情報をお届けしますので、ご期待くださいね!
また、来年は私自身が皆さんのご質問に直接回答する企画も
考えております。
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お見逃しのないようにお願いします。
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では、今日の1分セミナーにいきましょう。
今回は「消費税と『2つ』のリスク」です。
12/19に消費税の引き上げに関する報道がされました。
ただ、こういうことは実際に引き上げが必要かどうかだけでなく、
政治的かけひきも大きく関係します。
実際にどうなるかは不透明ですが、
将来的には上がると思っておいて方がいいでしょう。
そこで、今回は消費税率が上がるという前提で、
今から対策しておいてほしいこと【も】含め、2つのリスクを解説します。
まずは、1つ目のリスク(税務調査)です。
税務調査があれば、契約書にきちんと収入印紙が貼ってあるかどうかを
チェックされます。
特に、契約書が多い不動産業、金融関連業などでは
否認額も高額になることがあります。
この場合のポイントになることは
「『契約書に記載された金額』がいくらなのか?」ということです。
たとえば、報酬額が1,050万円の業務請負契約書を挙げましょう。
この場合、契約書の記載方法としては下記のようなパターンがあります。
○ 消費税額が区分して記載されている場合
・ 請負金額1,050万円(税抜価格1,000万円、消費税額50万円)
・ 請負金額1,050万円(うち消費税額50万円)
・ 請負金額1,000万円、消費税額50万円、合計1,050万円
○ 税込価格と税抜価格の両方が記載されている場合
・ 請負金額1,050万円(税抜価格1,000万円)
この場合はいずれも税抜価格の1,000万円を
基準に収入印紙の額を判定します。
ちなみに、1,000万円の業務請負契約書に貼る収入印紙は
「1万円」です。
では、契約書の記載方法が下記の形式だとどうなるでしょう?
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請負金額1,050万円(消費税込)
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この場合は収入印紙の判定基準となる金額は
「1,050万円」となります。
ちなみに、1,050万円の場合に貼る収入印紙の金額は「2万円」です。
つまり、同じ契約内容であるにも関わらず、
報酬金額の書き方が違うだけで、収入印紙の額が1万円も違うのです。
ただし、これらの内容は平成元年3月10日に出された国税庁の資料に
基づくもので、印紙税法に書いてある訳ではありません。
つまり、法律には根拠が無いということです。
実際、この内容を記載した国税庁のホームページにもこう記載があります。
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この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、
必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、
納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、
この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。
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しかし、現場での運用としては、
○ 請負金額1,050万円(うち消費税額50万円)は1万円
○ 請負金額1,050万円(消費税込)は2万円
とされていることが大半でしょう。
同じ取引であれば、消費税を区分して記載する方法などを
採用すべきなのです。
次に、2つ目のリスク(事業上のリスク)をお話しします。
たとえば、ある機械の保守契約が下記となっていたとします。
○ 契約期間は5年間
○ 契約金額は月額10万5千円(消費税込)
もし、契約期間の途中で消費税率がアップしたとしたら、
どうなるでしょうか?
この10万5千円は消費税率が5%であることを前提にしているので、
含まれる消費税額は5千円です。
しかし、消費税率が10%になったとしても、
10万5千円は消費税込の金額です。
そうなると、10万5千円から10%の消費税を
支払わなければならなくなるのです。
ちなみに、10万5千円で10%の消費税を計算すると、
約9,500円ですので、約2倍ですね・・・。
これは厳しいですよね・・・。
もちろん、通常の取引は相手との信頼関係の上に成り立っているので、
消費税率が上がっても覚書などで問題を回避することができるでしょう。
しかし、中にはそうではないケースもあります。
「あくまでも10万5千円が税込の金額だ!」
「契約書にはそう書いてある!」
と主張される場合もあるでしょう。
実際、私は消費税率が3%から5%に上がった際に、
これでもめた事例を相談されたことがあります。
こういうことも想定するならば、【今から】交わす契約書に関しても
消費税率がアップすることを想定しておくべきです。
ちなみに、税理士事務所の顧問契約書も
「月額52,500円(消費税込)」となっているものがありますが、
これも同じリスクを抱えていますね。
具体的には、契約書において
○ 上記のように、消費税を区分して記載する方法などを採用する
○ 消費税率が上がった場合は、支払額に改定がある旨を記載する
ということです。
ここは意外な盲点になっていることも多いので、
皆さんの会社で使用している契約書のひな型も見直して下さいね。
それから、話は変わりますが、
いい機会なので、収入印紙の消印についてお話しします。
少し固い表現ですが、原文をそのまま記載します。
○ 誰が消印するか?(印紙税法施行令第5条)
自己又はその代理人(法人の代表者を含む)、使用人その他の従業者の
印章又は署名
→ 会社印だけではなく、従業員の署名でもOKということです。
○ 2社以上で契約などをした場合の消印方法(印紙税法基本通達第64条)
作成者のうちの一の者が消すこととしても差し支えない。
→ 契約書のうち、1社のみが消印していてもOKということです。
○ 消印する印章の範囲は?(印紙税法基本通達第65条)
通常印判といわれるもののほか、氏名、名称等を表示した日付印、
役職名、名称等を表示した印を含むものとする。
→ 会社の印鑑でなくてもOKということです。
→ ボールペンで斜め線が引いてあることもありますが、これは×です。
いかがでしょうか?
収入印紙の話は普段はあまり考えることがないので、
大きなポイントとなる部分を解説しました。
どうぞ、今後のご参考になさってくださいね。
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■編集後記
今年ももう終わりですね〜。
個人的には下の子も産まれ、非常に充実した1年でした。
来年は50歳過ぎまでの10年間の始まりいうことで、
色々なことを企画していきたいと思っています。
日本各地でのセミナーも行おうと思っています。
是非、ご期待下さいね。
本当に1年間、ありがとうございました。
心から感謝いたします。
投稿者: 節税のことなら節税専門の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人