従業員が役員になった際、その従業員分の退職金はいつの損金になるのか
2012年06月27日 10:00
税務調査において「従業員の退職金を否認された」という事例をご相談頂いたことがあります。
期末に従業員から役員になった人に対して従業員分の退職金を期末時点では未払金とし、翌期に支払ったものが否認されてしまいました。
この点は多くの税理士でもミスしがちなポイントになりますので、今日のメルマガでは役員、従業員に退職金を支払う際の注意点を解説致します。
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朝4時起きの税理士 見田村です。
いつもありがとうございます。
6月も終わりに近づき、大半の税務調査が終わりました。
税務調査は嫌なものですが、決して悪いことばかりではありません。
○ 税務調査があり、社員の不正が早めに発覚して良かった
→ 同じことはまた起きる可能性があるので、管理体制の構築ができた
○ 社内的に廃止したい制度などを税務調査で指摘されたことにより
止めることができた
→ 場合によっては、税務調査で指摘されていないとしても、
指摘されたことにして、その制度などを止める口実にすることもある
このようなこともあります。
税務調査はビジネスをしていれば、定期的に受けなければならないものです。
そうであれば、税務調査をきっかけにより良い会社に生まれ変わるよう、
色々な対策を講じましょう。
ネガティブなことばかりではないのですから。
では、1分セミナーにいきましょう。
今回は「従業員の退職金に関する注意点」をお伝えします。
先日、ある会社の税務調査で
「従業員の退職金を否認された」という事例を聞きました。
そして、この内容を私が主催している「税務相互相談会」に
注意喚起するために投稿したところ、
他の税理士さんでも同様の事例がありました。
ということは、色々な会社で起きている可能性があるので、
今回のメルマガに記載いたします。
具体的な内容は
「従業員が役員になった際、その従業員分の退職金はいつの損金か?」
ということです。
たとえば、期末に従業員から役員になった人がいて、
資金繰りの関係上、その従業員分の退職金を期末時点では未払金とし、
翌期に支払ったとします。
これが否認されたのですが、この根拠は何でしょうか?
それは法人税基本通達9−2−36にあり、下記の旨が記載してあります。
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従業員が役員になり、従業員分の退職金を支給した場合、
その退職金は支給した日の属する事業年度の損金の額とする。
(注)未払金などに計上した場合は損金にできない。
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だから、従業員が役員になった場合の従業員としての退職金を
当期の損金にしたいならば、当期中に支払う必要があるのです。
これを間違って、未払金に計上してはいけないのです。
なお、決算賞与は一定の要件を満たせば、期末で未払計上できるので、
これと間違えやすい部分になります。
皆さんもご注意くださいね。
それから、もう1点、補足情報をお伝えします。
会社が
○ 退職給与規程を新たに制定した
○ 従来の退職給与規程を改正した
ことに伴い、従業員から役員となる人がいるという場合があります。
そして、この人に従業員分の退職金を支払うことはOKなのですが、
既に従業員から役員になっていた人との不公平感が出てしまいます。
しかし、ここは保全されていて、
その制定&改定時に既に従業員から役員になっていた人にも
退職金を支払うことができるのです。
資金繰りの都合にもよりますが、会社が黒字である場合、
「将来の経費でも今期の経費にできるものはしてしまいたい」
ということはよくあります。
しかし、
○ 今期中に支払わなければ経費にならないもの
○ 一定の条件の下、未払金に計上できるもの
があるのです。
ここを間違えてしまうと、税務調査で否認される可能性も出てきます。
今日は実際に税理士がミスした事例をご紹介しました。
どんな仕事でも同じですが、
「100%その人が正しい」ということはありません。
特に専門的な仕事になれば、なおさらです。
色々なご相談をお受けしていると、
「100%間違っている・・・」ということもあります。
税務や法務に関しては、セカンドオピニオンを聞くことが重要なのです。
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代表取締役・代表社員・税理士見田村元宣
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ご注意ください。
■編集後記(見田村)
先週は1週間、ずっと出張だったのですが、
4社の新規のお客様とご契約頂くことになりました。
すごく嬉しいですね。
特に遠方のお客様とご契約頂くことは違う感慨があります。
なぜならば、近くでも税理士は沢山いるのに、
わざわざ東京の私にお声がけ頂けるからです。
これも全てインターネットが取り持ってくれたご縁で、
20年前、30年前であれば、ありえなかった話です。
時代の流れに即したメディアを活用する重要性をひしひしと感じますね。
投稿者: 節税のことなら節税専門の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人