多額の社長仮払金に対する利息の計上について
2012年10月02日 14:59
現金の実際残高と帳簿残高が合わず、これを合わせるために差額を社長仮払金に振り替えるなどした結果、社長仮払金が大きく膨らんでしまうと、この社長仮払金に対する利息の扱いが問題になる可能性があります。
実際に社長仮払金に対する利息について争った事例を参考に、社長仮払金に対する利息の計上についての考え方を解説致します。
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いつもありがとうございます。
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今回は「その利息は必要なのですか???」をお伝えします。
税理士を変更し、新規のお客様とご契約頂いた場合、
「ずっと以前から残っている仮払金※」を目にすることがあります。
※ 仮払金に限らず、立替金のような科目の場合もあります。
そして、その内容は誰にも分からない状況となっており、
とりあえず、仮払金の内訳書には「社長への仮払金」と記載されています。
その額はそれほどは多額でないことが多いのですが、
社長への仮払金1,000万円という額を見たこともあります。
これは現金の実際残高と帳簿残高が合わず、
これを合わせるために差額を社長仮払金に振り替えたとのことでした。
また、中には
○ 経費に使うため、社長がとりあえず金庫から現金を持っていく
○ 社長が領収書をなくして精算ができず、仮払金が増えていく
ということもあります。
その発生原因はともかく、
こういう社長仮払金につき争った裁決(平成11年8月31日)があります。
この事例の前提条件を説明すると、下記となります。
○ 社長仮払金は平成元年時点では既に計上されていた(100万円)
○ 今の顧問税理士は平成4年から関与している
○ 平成6年3月期の税務調査を受け、
仮払金100万円に対する利息を6%と認め、修正申告した
○ 数年後、平成7年3月期〜平成9年3月期の税務調査を受け、
仮払金に対する利息6%※の計上もれを否認された
※ 商法514条による利率
○ これに納得できず、不服申立てをした
私がこの裁決文を読んで感じたことは下記の通りです。
○ 「100万円×6%=6万円」なので、3年分としても18万円です。
この額で国税不服審判所まで争ったということ
国税不服審判所まで争うということは
「異議申立て → 再度の税務調査 → 棄却 → 審査請求」
という流れなので、かなり大変なのです。
○ 同じ税理士が平成6年3月期では修正申告に応じているのに、
平成7年3月期〜平成9年3月期では争っているということ
修正申告に応じたならば、今後は否認されないように
利息を計上すべきだったと思います。
また、社長が応じなかったのかもしれませんが、100万円であれば、
3年間の中で仮払金を返済すれば良かったとも思います。
そして、結論はどうなったかというと、
○ 利息は法人の収益として計上すべき
○ 同額が役員報酬になるので、法人の経費として計上すべき
○ 利率が妥当かどうかの判断をするまでもない
となり、ツーペイという判断になったのです。
この流れを言い換えると、
(1)利息を法人がもらう(または、未収入金として計上する)
(2)同額を役員報酬として払う(または、未収入金を放棄してもらう)
ということと同じということです。
結果、「所得金額は変わらない」ということで納税者が勝ったのです。
もちろん、役員報酬として経費にするということは
源泉所得税は必要になりますが。
なお、9/4のメルマガにも書きましたが、
何かしらの経済的利益が税務調査で発見されることはあり、
こういうことに備えておくための議事録を作っておくことが重要です。
顧問先の100%を常に把握できている税理士は1人もいないのですから。
その9/4のメルマガはこれです。
http://www.77setsuzei.com/magazine/2012/09/04/post_254/
色々なことを感じながら読んだ裁決文でしたが、
社長仮払金がそのままになっているケースはたまにあります。
もし、皆さんの会社でも該当するなら、ご注意くださいね。
(1)一旦は受取利息を計上する
(2)その利息相当額を役員報酬として計上する
というのが、正しい流れなのです。
もちろん、結果として、所得としてはツーペイになるので、
役員報酬としての給与課税だけをし、
源泉所得税をきちんと納めればいいのでは?と思われるかもしれません。
しかし、受取利息は消費税の計算上は非課税となるので、
これを計上しないと消費税の計算が正しくなくなってしまうのです。
ここも併せて、ご注意ください。
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ご注意ください。
■編集後記
先日、下の息子との写真をフェイスブックにアップしたら、
いいねが300も付きました。
ありがとうございます。
そこで、同じ写真をブログにもアップしたので、是非、ご覧くださいね。
親バカです(笑)。
投稿者: 節税のことなら節税専門の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人