競馬のはずれ馬券は一時所得の計算上、必要経費になるのか?
2013年01月06日 06:18
昨年、競馬のはずれ馬券が一時所得の計算上、必要経費として認められず、巨額の脱税事件になったニュースが流れました。
これは競馬の当たり馬券による所得を申告せず、脱税事件として報道されたものです。
この記事をブログで取り上げてみました。
以下、読売新聞からの抜粋です。
競馬の馬券配当で得た所得を申告せず、2009年までの3年間に
約5億7000万円を脱税したとして、所得税法違反に問われた
会社員男性(39)が大阪地裁の公判で無罪を訴えている。
配当を得るための「必要経費」には膨大な外れ馬券の購入額も含めるべきで、
当たり馬券だけから算定したのは不当と主張。
国税関係者は「競馬の必要経費が法廷で争われるのは例がない」と
審理の成り行きを注視している。
国税当局は、必要経費について「収入の発生に直接要した金額」と定めた
同法を根拠に、競馬の場合は当たり馬券の購入額のみと判断。
配当額から必要経費を差し引いた所得を「一時所得」とし、
一般的には給与以外の所得が年20万円を超えれば確定申告が必要になる
という。
男性の弁護人らによると、男性は07〜09年の3年間に
計約28億7000万円分の馬券を購入。
計約30億1000万円の配当を得ており、
利益は約1億4000万円だった。
大阪国税局は税務調査の結果、配当額から当たり馬券の購入額を
差し引いた約29億円を一時所得と認定したとみられ、
無申告加算税を含む約6億9000万円を追徴課税し、大阪地検に告発。
地検が在宅起訴した。
今月19日にあった初公判で、検察側は「男性は確定申告が必要と
認識していた」と違法性を主張。
男性は「多額な所得を得た事実はない」とし、
弁護側は「外れ馬券も含めた購入総額こそが必要経費。
一生かかっても払えない過大な課税は違法性があり、無効だ」と反論した。
男性は、課税を不服として大阪国税不服審判所に審査請求している。
(2012年11月29日 読売新聞)
確かに、男性が主張することは心情的には非常に納得感がありますし、
この課税体系を大原簿記学校の受験生時代授業で聞いて、
「そんな理不尽な」と感じたことを覚えています。
勝った時点で止めれば納税できても、そのレース後に買った馬券が外れれば、
納税はできなくなりますからね・・・。
税金を納めることができる能力を「担税力」といいますが、
勝った時点では担税力はあることにはなりますね。
しかし、そこで止められないのがギャンブラーでもあるのでしょう・・・。
さあ、今回の争いはどうなるのでしょうか?
国税不服審判所の裁決が出るまでにはおおよそ1年くらいかかるので、
今年の動向に注目ですね。
ちなみに、下記裁決も競馬の所得に関して争われた事例で、
納税者が負けています。
ご参考までに。
投稿者: 節税のことなら東京都港区の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人