上様領収書と消費税の否認
2013年02月05日 16:11
上様領収書は本来はあるべきではありませんが、現実的には存在します。
そこで、今日は税務調査で上様取引きの認定を受け、消費税につき否認された事例をメルマガで取り上げます。
ちなみに、納税者が全面的に勝った事例です。
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朝4時起きの税理士 見田村です。
いつもありがとうございます。
まず、先週にお知らせした通り、「税務相互相談会」の告知をします。
なお、これは税理士、会計事務所職員向けの企画です。
この企画は年2回しか募集せず、
今回の募集は2/5(火)〜8(金)までです。
自分の企画を自画自賛するのもなんですが、
「非常にご参加者の満足度が高い企画である」と自負しております。
懇親会でお会いすると、「非常に勉強になる」というお声も沢山頂きます。
それだけに、私自身も覚悟を持って運営しています。
確定申告が始まるこの時期は周りに相談したいことも増える時期ですので、
是非、この機会にご参加頂ければと思います。
日本全国の税理士からの声も是非、ご参考になさってください。
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では、今日の1分セミナーにいきましょう。
今回は「上様領収書による否認を受けた事例」を解説します。
本来は正しい形式ではありませんが、
いわゆる「上様領収書」は現実的には存在します。
この上様領収書により仕入れをし、帳簿に計上せず、
かつ、売上も除外しているとされ、重加算税が課された事例があります。
ちなみに、これは国税不服審判所の裁決(平成7年12月4日)で、
「全面的に」納税者が勝っています。
ちなみに、この事例は税務調査があれば、
約50%は重加算税が課される水商売に対する税務調査です。
水商売という事例ではありますが、
汎用性がある考え方もご紹介しますので、最後までお読みください。
まずは、前提条件です。
○ 取引先に対する税務調査(反面調査)の結果、
上様領収書による仕入を把握(あくまでも取引先調査の結果)
○ 前回の税務調査では上様領収書による仕入を認めている
○ 酒類につき、「売上本数 > 仕入本数」となっている期間がある
→ 仕入れた数よりも多く売れるのはおかしい
○ 推計課税(否認額を推定計算すること)による否認を受けた
この事例で国税不服審判所は下記と判断しました。
○ 実際の上様領収書などの証拠書類が1つも明確にされていない
○ 上様領収書の仕入れに伴う支払い原資も明確にされていない
○ 本人も認めていない
○ 酒類が「売上本数 > 仕入本数」となっているのは、
顧客が飲んでないお酒を伝票にだけ付けていたという説明はあり得る
○ 顧客や従業員が使用する貸しおしぼりの使用本数は明らかでない
○ 貸しおしぼりの本数を不当に減少させて記帳したとしても、
必ずしも売上の除外をしたことにはならず、
このことで推計課税の必要性を主張することはできない
○ 取引先への税務調査(反面調査)から判明した上様領収書による
仕入れを簿外仕入れとは認められない(=売上の除外もない)
また、裁決文の後半で国税審判所はこうも記載しています。
○ 納税者が提示した帳簿書類に信ぴょう性がない根拠として
掲げた点には理由がない
○ 帳簿書類の信ぴょう性を否定する事実も見当たらない
○ 推計課税の必要性はない
いかがでしょうか?
なぜ、納税者側では1枚も見つからなかった上様領収書が
取引先への反面調査で把握されたのかは分かりません。
しかし、反面調査の結果はあくまでも反面調査の結果であり、
税務調査を受けている本人から直接的な証拠が出なかったことが
この裁決の大きなポイントです。
下記は「私の推察」ですが、
○ 約50%は重課算税がかかる水商売への税務調査だったため、
「どうせ不正をやっているはずだ」という先入観があった
→ 水商売以外でも重加算税がかかる確率が高い業種はありますが、
同じ業界でも適正に経営している会社も沢山あります。
→ 不正が多い業界の会社は「そういう目で見られているんだ」という
意識が重要です。
○ 前回の税務調査では不正が見つかっているので、
「今回もやっているだろう」という先入観があった
○ この税務調査は無予告であった(国税局の税務調査か?)ので、
税務調査そのものに強引な部分があった
→ 無予告の税務調査の場合、「犯罪者のように言われました」
という感想を持つ方は多いです。
という流れから、直接的な証拠書類が無いのに、
強引な否認に至ったものと考えます。
この事例そのものは特殊かもしれませんが、
多くの学びがある事例なので、ご紹介しました。
これからは確定申告の時期なので、大法人などへの税務調査を除き、
一般的な税務調査は行われない時期です。
しかし、これが終わった春からは
税務調査の本格的なシーズンが始まります。
その時期は税務調査の単発相談が増える時期でもありますが、
非常に理不尽な話も沢山あるのです。
今日のメルマガを通じ、「こういうこともあり得るのだ」
ということを覚えておいて頂ければと思います。
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■編集後記
今、長良川沿いのホテルにいるのですが、
昨日は夜10時に就寝、今日は深夜12時50分に起床し、
このメルマガを書きました。
あまりこういうことは無いのですが、
色々と考えることがあり、自然に起きてしまいました・・・。
まあ、それはそれとして、今日は岐阜県大垣市のお客様との面談後、
三重県名張市まで移動です。
ただ、3日間も家にいないと、子供の顔が見たくなりますね・・・。
ホテルのお土産売り場で1歳の息子に
小さな機関車トーマスのおもちゃを買いました。
上の子には別のお土産を買いました。
もちろん、妻にも(汗;;;。
早く見せたいですね!
投稿者: 節税のことなら節税専門の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人