親名義の建物の増改築やリフォーム代金を子供が出したら(不動産の付合(附合))と贈与税の問題
2013年04月23日 11:03
親名義の建物の増改築、リフォームをするに当たり、子供が資金を出すことがあります。なぜならば、親は年金暮らしで、それだけの増改築、リフォームをするお金が無いからです。しかし、それは贈与税の問題に発展することもあり、注意が必要です。
そこで、今回のメルマガでは民法における「不動産の付合」という問題も含め、贈与税の問題に発展しない対策を解説します。
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朝4時起きの税理士 見田村です。
いつもありがとうございます。
それでは、今日の1分セミナーにいきましょう。
今回は「子供がお金を出して、親の家をリフォームしたら?」を
お伝えします。
今回のメルマガは(株)インスパイアコンサルティング発行の
メルマガ(税理士向け、見田村は金曜日担当)で、4/12(金)に
配信したものと同じ内容です。
ただし、上記メルマガは税理士向けのため、専門的に書いたのですが、
この内容は一般の方にも重要な内容なので、こちらでも内容を
わかりやすく書き直し、配信いたします。
先日、あるTV番組で家屋の大改築のことを取り上げていました。
ただし、私は家屋が綺麗になったことよりも、
私は違うことが気になりました。
それは下記の流れですが、一般的にもよくあることかと思います。
(1)父名義の家屋が老朽化(父には改築資金が無い)
(2)子がお金を出し、父名義の家を改築
(3)建物の名義は父のまま
→ 改築部分のみを子名義として登記することは制度上、不可
(4)子がお金を出し、父の資産価値が増加
(5)子から父への贈与になる
→ 改築資金はそれなりの額になるため、贈与税額も多額(父負担)
→ 父は贈与税が支払えない(子が負担すれば、さらに贈与)
TVを見ていて、こんなことが気になるなんて、職業病ですね(笑)。
それはさておき、こういうケースは世の中では多々あり、
「知らない間に」贈与した状態になっていることもあるでしょう。
実際、増改築部分に関し、夫から妻への贈与となり、
納税者が負けた事例があります(東京地裁、昭和51年2月17日)。
だから、単純に資金提供してはいけないのですが、
父名義の建物を改築したいということも現実問題としてあります。
では、どう対策していけばいいのでしょうか?
2つの方法を解説していきます。
○ 対策1(共有名義にする方法)
「父の家屋の時価」と「子が提供する金額」のバランスを考え、
共有名義で登記する方法があります。
例:父の建物の時価300万円、子供が提供する額1,500万円の場合
・父の持分・・・「300÷(300+1,500)=1/6」
→ 父から子への移転部分:300万円×(1−1/6)=250万円
・子の持分・・・「1,500÷(300+1,500)=5/6」
→ 子から父への移転部分:1,500万円×(1−5/6)=250万円
結果として、双方に移転する価値が同額なので、
贈与という問題は発生しません。
また、父は家屋の一部を譲渡することになりますが、
譲渡に伴う売却益(課税対象)が出ることはまず無いでしょう。
○ 対策2(事前に建物の名義を変更する方法)
父の建物を子に贈与(または売却)した後に改築を行ないます。
そうすれば、子名義の建物を子が自己資金で改築したことになり、
何の問題もありません。
なお、今回は「改築」を前提にしましたが、
「増築」でも同じ理屈となります。
いかがでしょうか?
税制改正で相続税の基礎控除額が下がりますので、
今まであればチェックされなかった相続人の通帳が
税務調査の対象になることも出てくるでしょう。
ちなみに、相続税の税務調査では相続人の通帳も見られますし、
事前(税務調査前)に金融機関に照会をしていることも普通のことです。
その際に、相続人の口座から被相続人の口座に多額の資金移動があり、
それが改築資金ならば「子から父への贈与」と否認されてしまいます。
よくあるケースでありながら、「贈与税が課される」という問題が
見落とされがちな部分です。
現実問題としては、税務調査で指摘を受けた後でも
「錯誤(さくご)」ということで登記を直し、贈与税の問題を
回避することもあるのでしょうが、これは保証できません。
贈与として否認されるのが「本来の形式」ですから。
共有にするか、子名義に変えておくか。
親に増改築の資金が無いならば、
最初から登記を変更しておく必要があるのです。
ご注意くださいね。
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ご注意ください。
■編集後記
今日、新百合ヶ丘で「相続、生前贈与の対策セミナー」を行います。
一般の方が誤解されやすい部分も含め、
色々と解説していきたいと思います。
ご参加される方は楽しみにお待ちくださいね!
私のこのテーマのセミナーは「そんなこと、初めて聞いた!」という方が
多いのが特徴なので。
もっとも、メルマガでもかなり書いてはきたのですが(笑)。
投稿者: 節税のことなら節税専門の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人