節税のために生命保険に加入した場合の役員退職金
2014年06月10日 04:27
節税対策をし、かつ、将来の役員退職金準備のために生命保険に加入する中小企業は沢山あります。
しかし、その実際の節税効果を計算していない場合がよくあるので、下記ではこれを計算する必要がある、という話をします。
役員退職金準備のために生命保険に加入するならば、計算しておくべきこと。
将来の役員退職金を支払うために生命保険に加入する会社は多いですが、加入時に見ている表には、節税効果を考慮した実質返戻率が書かれているだけで、実際の節税額は記載されていません。
また、この節税効果は約35%などの一般的な実効税率で計算されていることも多く、その会社そのものの実効税率で計算していることもあまりありません。
だから、そういう表を見る際には「自分の会社の実効税率は何%なのか?(中間納税額を含めた年税額÷所得金額)」、「実際の節税額はいくらなのか?」ということも併せて計算すべきなのです。
こんな計算は簡単にできますから。
そして、何年後にいくらの役員退職金を支払った場合、いくらの税金がかかるのかも併せて計算しておくべきなのです。
結果、「法人で節税した額」と「個人が支払った税金の額」の差額が結果として得した金額になる訳です。
この計算をしていないままに、実質返戻率だけを見て、生命保険に加入している会社は多いですが、実際には「●%得した」と喜ぶ人はおらず、「●円得した」と人は喜ぶはずです。
しかし、その計算をしていないことは多いのです。
ちなみに、個人の退職金に伴う税金がいくらかかるのかは、下記サイトで計算できます(所得税も住民税も計算できます)。
下記サイトで計算すると、在籍30年の役員が1億円の退職金をもらった場合、手取り額は約8,100万円。
個人の税金の実効税率は約19%ということで、約1,900万円の所得税、住民税を支払うことになります。
これと、その過程で生命保険で節税してきた額とを比べるのです(ここはその企業の状況によって違います)。
http://keisan.casio.jp/exec/system/1292387069
投稿者: 節税のことなら東京都港区の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人