孫などに生前贈与をする相続税対策
2014年07月01日 13:34
平成27年からは税制改正により、贈与税は減税となります。
そこで、孫などに生前贈与をどうすればいいのか?孫などに対する生前贈与を税務調査で否認されないためには?孫などに生前贈与したお金で生命保険の加入する場合の注意点は?などについて解説します。
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朝4時起きの税理士 見田村です。
いつもありがとうございます。
このメルマガでは
○ 月曜日・・・税理士の見田村が「税務」の話(法人、相続)
○ 木曜日・・・社労士の内海が「労務」の話
をお届けします。
さて、今日は最初に税理士の方にお知らせです。
「顧問先が多額の税金を滞納している・・・」
税理士であれば、多くの方がこれを経験したことがあることでしょう。
しかし、国税徴収法の法律に関する書籍はありますが、
○ 滞納税金の分割納付は最長何年まで可能なのか?
○ どうなったら、滞納税金の免除がされるのか?
○ 差押えになるならないの判断基準とは?
などの【ノウハウ】に関する書籍は1冊もありません。
また、国税OB税理士も税務調査をやってきた課税部門出身の方が大半で、
徴収部門出身の税理士は非常に数が少ないことも事実です。
なぜならば、徴収部門は「滞納になっている税金を納めさせること」が
仕事であり、「一般的な税法とは関係ない世界」にいるからです。
結果、顧問先が「滞納」、「差押え」、「財産の換価」などの状況に
なったとしても、税理士が適切な対応をできていないケースもあります。
そこで、私が企画段階から加わり、公開に至ったサービスがあります。
それは
○ メーリングリストを通じ、税理士が滞納、差押え、換価等に関する
相談(質問)をする
○ 元国税徴収官(2名)が質問に答える
○ メーリングリストなので、質問&回答を会員の「全員」が共有
というサービスです。
なお、顧問先が税金を滞納することはいつも発生することではないので、
月額料金も3,000円と安価にしました。
また、このサービスの対象者は税理士、会計事務所職員ですが、
これら以外の方の入会も可能です。
ただし、ご質問頂けるのは税理士、会計事務所職員の方のみです。
皆さんが税理士、会計事務所職員ならば、顧問先がこういう状況に
陥ったときに適切なアドバイスをできるよう、是非、このサービスを
ご利用ください。
それから、メーリングリストというサービスの特性上、過去の投稿は
見られない仕様になっています。
だから、後からの入会者は過去に投稿されたノウハウが見られないので、
この点はご了承ください。
私は企画者の1人として、税理士が陥りやすいであろう論点を既に
いくつか投稿として用意していますので、こちらも併せてご覧ください。
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滞納・差押え・換価等の相談メーリングリストサービス
http://inspireconsulting.co.jp/tainou-ml/
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では、1分セミナーにいきましょう。
今回は「税制改正と生前贈与の活用法」をお伝えします。
平成27年1月から始まる相続税の改正を控え、多くの雑誌などで、
「増税」のことが書かれています。
しかし、中には「減税」になっている税制改正もあり、その1つとして、
贈与税があります。
特に、「110万円までは非課税」という贈与は多くの方が利用されて
いますが、「法的な」贈与が成り立っておらず、税務調査で否認される
ケースも非常に多いのが事実です。
そこで、生前贈与に関しては、過去に何度も書いてきましたが、
税制改正の話を踏まえ、改めて解説します。
まずは、税制改正の話です。
平成27年1月1日以後の贈与については、減税となります※。
※ 祖父母から孫、両親から子供への贈与などを前提とします。
具体的に、改正前、改正後の税率表を見てみましょう。
なお、一番左端の数字は110万円の基礎控除後の数字です。
○ 改正前
200万円以下 10% 控除額0円
300万円以下 15% 控除額10万円
400万円以下 20% 控除額25万円
600万円以下 30% 控除額65万円
1,000万円以下 40% 控除額125万円
1,000万円超 50% 控除額225万円
○ 改正後
200万円以下 10% 控除額0円
300万円以下 15% 控除額10万円
400万円以下 15% 控除額10万円
600万円以下 20% 控除額30万円
1,000万円以下 30% 控除額90万円
1,500万円以下 40% 控除額190万円
3,000万円以下 45% 控除額265万円
4,500万円以下 50% 控除額415万円
4,500万円超 55% 控除額640万円
例えば、710万円の贈与をした場合の贈与税は下記となるのです。
○ 改正前
(710万円−110万円)×30%−65万円=115万円
115万円÷710万円=約16%
○ 改正後
(710万円−110万円)×20%−30万円=90万円
90万円÷710万円=約12%
だから、「形式上の税率」ではなく、「実質的な税率」に着目して、
生前贈与をしていくことが重要なのです。
また、110万円の非課税枠にこだわらないことも大切ですし、
この贈与は長くやってこそ意味が大きくなることも覚えておくべきです。
そういう意味では30代、40代から始めるに越したことはありません。
ここで、大きな論点になるのが「その贈与は『法的に』成立しているか?」
ということです。
当事者は贈与した「つもり」であって、「法的な」贈与が成立しておらず、
税務調査で否認される例は後を絶ちません。
贈与された?お金で生命保険に加入した場合、その保険料の原資は
「法的に贈与が成り立っておらず、贈与された人が払っていない」
と否認された事例も数多くあります(平成8年3月28日裁決など)。
結果、この贈与を成立させたいならば、まずは「法的に」成り立っている
贈与をすることが重要なのです。
もちろん、贈与は口約束でも成立するものですが、後々の税務調査を
考えれば、書面で「贈与契約書」を作成した方が無難です。
なぜならば、贈与は「双方が合意して初めて」成り立つものだからです。
そこで、以前にもご紹介しましたが、下記ひな型を使うといいでしょう。
○ 鈴木一郎・・・祖父
○ 鈴木二郎・・・子供
○ 鈴木三郎・・・孫(未成年)
という前提です。
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贈与契約書
贈与者鈴木一郎(甲)と受贈者鈴木三郎(乙)は下記のとおり、
贈与契約を締結した。
第1条 甲は現金○万円を乙に贈与するものとし、乙はこれを受諾した。
第2条 甲は現金○万円をは平成○年○月○日までに、乙の下記口座に
振り込むものとする。
○○銀行 ○○支店 普通口座 1111111
口座名義人 鈴木三郎
平成○年○月○日
贈与者(甲)
東京都○○区○○町1−1−1
鈴木一郎 印
受贈者(乙)東京都○○区○○町1−1−1
鈴木三郎
法定代理人 父 鈴木二郎 印
法定代理人 母 鈴木美子 印
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なお、「未成年者は一定の年齢以上にならないと意思能力がないので、
贈与は成立しない」と書かれてる書籍もありますが、それは間違いです。
なぜならは、贈与とは民法で定められた行為であり、
民法のどこにも「未成年者は○歳にならないと贈与は成立しない」とは
書いてないからです。
また、「一定年齢以上」というのも曖昧な表現で、根拠がないものです。
実際、国税不服審判所の裁決(平成19年6月26日)でも
○ 未成年者への贈与の場合、親権者が同意すれば贈与契約は成立する
○ 未成年の子が贈与の事実を知っていたかどうかは関係ない
と判断されています。
だから、0歳の赤ちゃんに対する贈与も「適正な手続き」をすれば、
贈与は「法的に」成立するのです。
もちろん、贈与された財産は贈与された人の物ですから、その後の管理は
贈与された人(贈与された人が未成年の場合は親)がすべきです。
○ 贈与した後も贈与した人が定期預金の書き換えを行なっている
○ 家族全員の銀行印が同じである
などの状況は「絶対に」避けなければなりません。
しかし、多くのケースでは
○ 贈与契約書がない贈与になっている
○ 贈与された後の財産の管理を贈与された人が行なっていない
という状況になっています。
これでは、後々の税務調査での争いをわざわざ準備しているようなものです。
平成27年1月以降は贈与税は減税となるため、生前贈与はますます加速
するでしょう。
しかし、「適正な手続き」を踏んでいない贈与は「法的に」成立しておらず、
後々の税務調査で否認されることになりますので、ご注意ください。
中には「何十年もかけて行なった贈与が1円の効果も生んでいなかった」
という事実に70歳、80歳になってから気づく方もいるのです・・・。
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■編集後記
さあ、今日は「税理士のための売上倍増塾」です。
日本全国から税理士が集まってくるので、頑張って、私のノウハウを
お話しします。
一緒に頑張りましょう!!!
投稿者: 節税のことなら節税専門の税理士、(株)日本中央会計事務所、日本中央税理士法人