節税のことなら東京都港区の税理士、(株)日本中央研修会、日本中央税理士法人

本書の「はじめに」をお読みください。

羽振りのいい社員たちが共有する「お金に困らない方法論」

まだまだ景気の回復が見えない厳しい時代で、二番底という話も出ている状況です。
しかし、そんな中でも儲かっている羽振りのいい会社もあります。そういう会社の社長さんは「うちは儲かっているよ」と大きな声ではいわず、こっそりと儲かっています。
また、儲かっているとまでいわなくても、悪い状況なりに何とか黒字を確保し、切り抜けている会社もあります。
そういう会社の社長さんを見ていて思うことは、「方法論」「考え方」に共通点があるということです。

一方で、私のところには日本全国から会計や税金などに関するご相談が集まってくるのですが、その際にこんな会話が展開されることがあります。

お客様「決算書の見映えをよくするため、こういう対策をしました」
見田村「しかし、この対策では結果として損をしますよ」
お客様「えっ、そうなんですか？このほうが得だと思ってやったのですが」
見田村「終わったことは仕方がありません。次からは最も得になる方法を選択しましょう」

こういうご相談は結果論であるため、後から差し戻すことはできず、大きく損をしていることも多いのです。

厳しい状況でも思考と方法論を駆使して利益をひねり出している企業がある一方で、ただでさえ赤字なのに身を守る術もなくお金を垂れ流している企業もあります。
そして中小企業の中には後者に属している会社も多いのが現実です。そんな会社の社長さんのために、「お金に困らないために知っておくべき会計や税金に関するノウハウ」をお伝えしたいと思ったのが、この本を書こうと思った理由です。
大企業であれば、優秀な経理担当者を雇い、経営に必要な分析を任せることも可能です。しかし、中小企業ではそこまでの人材を雇うことができない場合も多く、税理士に任せっきりになっているケースもたくさんあります。
これは危険です。会社が潰れて困るのは社長自身で、「経営は自己責任」なのです。その自己責任を果たすために知るべき知識はたくさんあるのです。
そんな社長さんのための会計・税務のノウハウ集がこの１冊です。
もちろん、経営者に読んでいただくことを目的としている以上、普通の退屈な「お勉強本」ではありません。
いかにして利益を出し、倒産を防ぎ、資金面で経営を楽にしていくかという、中小企業経営者の多くが知らない「現実の経営のキモ」を、徹底的にかみくだいて解説していきます。
日々の経営に即したすぐに実行できるノウハウも満載で、興味と実感を持って一気に読んでいただけると思います。
また、専門用語はなるべく使わず、図や表を多く入れ、さらに具体的な数字を使って説明することで、多忙な経営者の方に短時間で内容を吸収していただけるよう配慮しています。
ぜひ、ひとつでも多くのノウハウを頭に入れておき、経営を進めていくうえでの参考にしてください。

本書のタイトルで「羽振り」という言葉を使いましたが、私自身は景気のいい時代にいたことがありません。就職活動はバブル崩壊直後、サラリーマン時代と勤務税理士時代も景気が低迷している時期、独立してからは経済の指標は上がっていても、中小企業の実態として好景気を感じたことはあまりありませんでした。
しかし、そんな中でも私が一経営者として会社を伸ばしてきたのには、確実に理由があります。また、うまくいっている顧問先の社長さんは、先ほども書いたように、間違いなく「方法論」「考え方」が違います。
本書では、そのなかでも特に私がお伝えしたいと思ったことを中心に書きました。
まずは、本書を一通り読んでいただき、あなたの会社の選択で正解だったこと、間違っていたこと、軌道修正すべきことを考えてみてください。
本書がきっかけであなたの会社の「羽振り」がよくなれば、これほど嬉しいことはありません。ぜひ、ここで学んだことを実践し、不況に負けない会社を作っていっていただければと思います。